2004年05月03日

『KILL BILL vol.1』

まだ『KILL BILL vol.1』を観ていなかった(観る気にならなかった)のですが、先日職場の先輩からDVDをお借りしたので、せっかくなので鑑賞してみました。

う~ん、思ったとおりというか、やっぱり私に合う映画じゃありませんでした。何が面白いのかさっぱりわからない。いや、わかるんだけど、私には面白く感じないというか。とんでも日本描写は特に笑えるようなものじゃなかったし、血生臭い立ち回りにしても緊張感はないし、娯楽演出としてとらえてもしっくりこないしで、私のツボには全然はまりませんでした。。

タランティーノ流の日本映画へのリスペクトが含まれているらしいですが、そのリスペクト対象の日本映画を全然観てないし、そもそもタランティーノの作品自体そんなに好きじゃないので、こればかりは仕方ないのかな、とも思いました。好きな人にはたまらない作品なんでしょうけどねー。

まぁ、そんなわけで、作品評価も低めです。
作品評価:★2 ※採点基準はこちら

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2004年04月24日

『ビッグ・フィッシュ』

ついにこのブログも、エントリー数が300になりました。
熱しやすいけど冷めやすくもある自分の性格を考えると、ここまで続いているのがちょっと嘘のようです。

さて、記念すべき(?)300個めの話題は、これまで何度か触れた『ビッグ・フィッシュ』という映画。公開初日は5月15日なのですが、昨日仕事のお手伝いで『ビッグ・フィッシュ』の試写に立ち会ってきて、一足先に 作品を観ることができました。

で、作品を観た感想なのですが、いかにもティム・バートンらしいファンタジー演出がこぎみ良い映画で面白かったです。この作品は、いろいろな監督候補があがった末にティム・バートンの手に渡ってきたらしいですが、間違いなくこの作品にとってとても良い選択だった思います。ただ、私自身、想像力が貧困な人間なので、そのティム・バートンらしいほら話のパートがちょっと退屈な場面もありましたが、感受性の強い人にはたまらない演出に感じると思いますね。この辺りで評価はわかれてくるんじゃないでしょうか。

前半はちょっと退屈に思っても、最後はしっかりと盛り上がります。私もラストでぐずってしまいました。なんというか、現実世界でのヒューマンドラマ演出と空想世界のファンタジー演出の融合が見事の一言なんですよね。
個人的には、ちょっと長いかな、とも思いましたが、キャスティングもとても良いし、秀作であることにはかわりは無いと思います。

作品評価:★4 ※採点基準はこちら

2004年04月18日

『ジャッカルの日』

フレッド・ジンネマン監督作の『ジャッカルの日』を鑑賞しました。

1960年代のフランスを舞台にした、ドゴール大統領暗殺計画を映画化したものです。
噂どおり、派手な演出は全然なく、淡々とドキュメンター調でストーリーが進むのですが、これが演出として抜群の臨場感を出していて、非常に好感度の高い作品でした。派手な演出がない分、本当にこういう事件があったのかと錯覚させるリアリティがあるんですよねー。歴史として刻まれることなく消え去った事件、みたいな。

本当に淡々と話が進行するので、はじめの方の展開が少々退屈でしたが、ジャッカルが動き出し、それをフランス警察が追い始めると俄然面白くなります。追う側と終われる側の距離の縮まり方が絶妙なんですよね。ついつい追われる側に肩入れしてしまうのが不思議です。最後の最後まで「動」より「静」に重きを置いた演出を徹底しているので、人によっては少々あっけなく感じるかもしれませんが、私はかなりハラハラしました。

けど、こういう作風の映画、今作ってもヒットしないんだろうなぁ。。

作品評価:★4 ※採点基準はこちら

投稿者 shaw : 21:31 | トラックバック

2004年04月06日

『攻殻機動隊』をDVDで鑑賞する

職場にいつのまにか『攻殻機動隊』のDVDがあったので、週末に借りてきて鑑賞したんですが、このアニメ本当に凄いですね!
って、今更改めて言うな、という事なんですが。

私が浪人生だった頃に、一部で凄い凄い言われていたこの映画の原作を読んで、なんだか確かに凄そうだけどよーわからんと思い、その後大学生の時に友人からビデオを貸してもらって鑑賞してもあまり印象に残っていなかったのですが、なぜか改めて鑑賞してみると身震いしてしまうくらいの出来の素晴らしさに驚嘆したのでした。

なんというか、あの難しい原作の雰囲気を損なうことなく、もっと日常的(でもない?)な風景をアニメで描きながらも、ストーリーは無駄をいっさいの排除してかつ原作に忠実に、という奇跡的な演出をしています。わけのわからない日本語ですね。
確かにオタク臭が漂う世界観だし、登場する人物やメカ、光学迷彩の表現とかのかっこよさも、この道のマニアが徹底的にこだわって作り出した産物なんでしょうけど、以前見た時よりもそれに惹かれるようになったのは、私もそれだけオタク的感性を身に付けた、ということなんでしょうかね。ここ数年、アニメをまともにみていないんですけどねー。

そんなこんなで、これまで全然興味のなかった『イノセンス』にやっと興味が湧いてきたところです。今、アイマックスで観ることができるようなので、ちょっと気になってます。まだアイマックスで映画をみたことないんですよね、私。

2004年04月04日

『殺人の追憶』

久々に映画館に足を運びました。ここのところ、映画を観る余裕のない日々が続いていたから。。

さて、観たのは『殺人の追憶』。韓国で1980年代末~90年初期にかけて、実際に会った殺人事件をモチーフにした韓国映画です。前評判が非常によかったので、何気に期待していた作品の一本でしたが、かなり面白い作品でした。満足。

作品評価:★4 ※採点基準はこちら

連続する女性猟奇殺人犯を追う刑事の視線でストーリーは進行するのですが、犯人を追うサスペンス映画という面のほかに、当時の韓国の時代背景も実は詳細に描かれていて、いろいろ興味深い映画だと思います。ところどころちょっと中だるみしている部分も感じますが、全体としては緊張感のある、かなりの良作ですね。
韓国では相当有名な事件だったらしく、ことの顛末は大体の人が知っているという前提の映画らしいですが、それでもラストの盛り上がりはすごいの一言です。「いったいどっちなんだ!」というやつですね。その辺りは、実際に観て感じ取ってもらいたいところです。

2004年03月15日

『生きる』

黒澤明監督の名作の1本、『生きる』を観ました。

タイトル通り、「生きる」とは何なのか、ものすごく考えさせられる作品でした。自分の死期を悟った主人公が「生」と向き合うというテーマは、映画のみならずドラマや漫画、小説、エッセイなどでも使われているし、国内、国外を問わずいろんなところで目にすると思います。しかし、この映画ほど重みのある(映画としての完成度も非常に高い)描かれ方はそうそうないんじゃないでしょうか?とにかくズシリときました。

映画の構成が、公園を作ることを決心するまでの「生きていない」主人公を描く前半パートと、主人公の死後、「生きている」主人公を役場の同僚や身内が振りかえる後半パートに分かれていて、この構成の転換のしかたがまた上手いんですよね。テーマだけじゃなく、映画としてありかたも、さすが世界のクロサワと思わせる凄みがある作品でした。

今週、もう一本小津安二郎の『東京物語』も見たんですが、家族のつながりというものをもっと大切にしなきゃなぁ、とつくづく考えさせられました。今の自分は、あまりにも自己中な人生を送っているよなぁと、猛省中・・・。

作品評価:★5 ※採点基準はこちら

2004年03月07日

『大脱走』

今日、『大脱走』のニュープリント版を観てきました。

もう何度も観ている映画なんですが、やっぱり大きなスクリーンで観ることができるというのは映画冥利に尽きると思います。目新しさを感じなくなっても、傑作は傑作。評価は変わらず、3時間弱を最後まで楽しく拝見させていただきました。

作品評価:★5 ※採点基準はこちら

2004年03月01日

『マスター・アンド・コマンダー』

昨日、携帯の機種変更の手続き処理の間にちょうど映画を一本見れそうな空き時間が出来たので、日本で公開されたばかりの『マスター・アンド・コマンダー』を鑑賞してきました。

オスカーでも堂々の9部門ノミネートと、なかなか評価されている本作品ですが、以前劇場で予告を見たときにはいまいち面白そうに見えなくて、私の中では半信半疑な作品であったことも確かです。
とはいえ、スケールの大きな海洋アクション&アドベンチャーで、ラッセル・クロウ主演の最近の映画にはずれが少ない(個人的に、ラッセル・クロウは好きになれないんですけどね)という事実もあって、結構期待していたのですが・・・。

結論から言って、全然面白くありませんでした。ちょっとショックなくらい。描写の一つ一つは、それなりに時代検証をしてリアルだったんだろうと思うし、見せ場のシーンもいろいろあるんですが、何と言うか緊張感が全然ないゆるい展開が続くので、見ていてワクワクできませんた。

作品評価:★2 ※採点基準はこちら

投稿者 shaw : 00:50 | トラックバック

2004年02月29日

『ジョゼと虎と魚たち』

昨日、今更ながら『ジョゼと虎と魚たち』を観てきました。笑いあり、涙あり、そしていろいろと考えさせられる部分も多い、非常に良くできた作品でした。

作品評価:(限りなく★5にちかい)★4 ※採点基準はこちら

とにかく、主演の二人が良かった。普段TVを全く見ない私にとって、妻夫木を見るのは『ウォーターボーイズ』以来だったりするのですが、こんなに良い俳優だったイメージがなかったのでたまげました、ほんと。池脇千鶴にいたっては、役になりきっていて文句のつけようないし。それに、脇を固める俳優さんも隙がないしで、非常に見ごたえがありました。

私は、屈折しているようで純朴でもある恋愛感情の成り行きと、あのラストに激しく感動してしまいました。そして妻夫木が最後にみせる感情に激しく動揺し、丸一日たった今も余韻を引きずっていたりします。もっと早くに観ておくんだった。。

投稿者 shaw : 20:36 | トラックバック

2004年02月09日

『25時』

先ほどのエントリー「レベルX」の会場を後して、その足で『25時』を見てきました。前評判が良かったのでちょっぴり期待していたのですが、やはりアメリカのことは日本人にはいまいち理解しきれないというか、妙に説教くさいところがあって、私にはいまいちでした。
いい映画だとは思うのですが、個人的には・・・という作品ですね。とがった映画が好きな人だったら感想は全然変わってくると思います。そうですね、好き嫌いの差は結構でると思いました。

作品評価:★3 ※採点基準はこちら

以下、簡単なあらすじ。
ヤクの売買で生計を立てていたモンティ(エドワード・ノートン)は、誰かのタレこみによって刑務所で7年間過ごすことに。入所する前日、恋人や父親、友人たちと一緒に最後の24時間(25時間)を過ごしながら、自分の行ってきたことに後悔し、そして刑務所暮らしにやりきれない思いを抱えるのだった・・・。