2007年07月26日

トランスフォーマー

試写状をもらえたので、「トランスフォーマー」を鑑賞してきた。この映画、つい最近まで「どうせマイケル・ベイだしな」とタカをくくってノーマークだったんだけど、予告を見たら急に面白そうに見えてきたんですよねー。たぶん、私くらいの世代の人間でも、あの予告をみてwktkがとまらなくなった人多いんじゃないかなぁ。

で、鑑賞した感想はというと。やっぱりね、あのトランスフォームのかっこ良さは反則だと思うわけです。序盤から中盤にかけて、年甲斐もなく興奮しちゃったもんな。尺の長さとか、ラストの敵味方の判別の難しさとか、ストーリーの薄っぺらさとか、やっぱりマイケル・ベイだなぁと思わせるベタな笑いとか、気になる点も多々ありますが、それを補って余りある興奮を味わえるんじゃないでしょうか。少なくとも私は味わえました!

最近、映像の素晴らしい映画を観てもなかなか感動を受けなくなってましたが、こういうCGの使い方をみるとまだまだ出来ることはあるんだな、という気分になりました。予告を見て期待した人は、是非スクリーンの大きな劇場に足を運びましょう。客層は偏りそうですが、今年の夏休み映画の本命は本当にこの作品になりそうな予感。

作品評価:★4 ※採点基準はこちら

2007年07月15日

キサラギ

ここのところ映画館からだいぶ足が遠のいていたので、この3連休中に気合を入れて鑑賞することにする。で、口コミで人気上昇中の「キサラギ」が気になってたので、池袋シネリーブルにて鑑賞。この作品、評判どおり、とても良く出来た作品でした!

まず、脚本の出来の素晴らしさ。二転三転するストーリーはしっかり伏線がはられ、最後まで破綻することなく小気味の良いテンポで最後まで引っ張ります。しかも、単に観客を驚かす仕掛けだけではなくて、ホロリときたり笑いがあったりと、緩急のつけ方が抜群に巧い!

あとは、これ以上の配役はないのではないか?と思わせる5人のキャスト。それぞれの演技の巧さもあるんでしょうけど、個性の持たせ方が絶妙で、それがこの作品の面白さをさらに引き立たせていると思います。

もともとこの手の演劇向きな映画が個人的に好きだということもあるんでしょうけど、この完成度の高さには目を見張るものがあるかと。少なくとも退屈するような映画じゃないと思うので、未見の方はぜひとも一度は鑑賞することをお勧めします。

作品評価:★4 ※採点基準はこちら

投稿者 shaw : 14:04 | トラックバック

2007年05月15日

ザ・シューター

職場の方から試写状をもらったので、仕事を抜け出して「ザ・シューター」を観てきた。この映画の原作、年明け早々に読んでみてとっても面白かったし、ヒジョーに映画化しやすそうなお話でもあったんで結構期待していたんですよ、個人的に。

でも。

途中まではかなり原作に忠実で、あのボリュームのある原作を上手くまとめてるし、映画としての見せ場もしっかりしているし、良い映画化かも!と思いながら観てたんですが、どうも最後の締め方が納得いかない。原作はラストのカタルシスというか、すっきりした爽快感が大きな魅力の一つだったのに、映画ではなんでああしたんだろう…。私はかなり不満が残ってしまいました。

あとは一部の配役がなー…。主演のマーク・ウォルバーグはとても良かったんですが、脇を固める俳優のイメージが全然合ってなかったです。これも、先に原作を読んでしまった弊害かもしれないけど、ニックの役は絶対に違うと思った。俺だけかなぁ。。

作品評価:★3 ※採点基準はこちら

たぶん、原作を読んでなければ、もっと純粋に楽しめるだろうとは思いますが、原作ファンはそれなりに割り引いて観たほうが幸せになれると思います。

2006年12月31日

2006年 BEST MOVIE!!

例年恒例の、1年を締めくくるエントリーということで、今年も10作品選んでみました。
いつもは、1位から10位まで順位付けしてたんですが、今年は「これがBEST映画だ!」と言い切れる作品が思い浮かばなかったので、順位付けはなしです(並び順は、映画をみた順番)。

ALWAYS 三丁目の夕日
ロード・オブ・ウォー
クラッシュ
ナイロビの蜂
かもめ食堂
M:i:III
時をかける少女
ユナイテッド93
フラガール
サンキュー・スモーキング

泣けた度でいうと、三丁目の夕日とフラガールが抜けているけど、総合的な出来を考えると各タイトルに一長一短あったかなぁ。鑑賞後、「これはスゴイ!」と強烈に印象に残る作品に出会えなかったのが残念です。。

投稿者 shaw : 23:27 | トラックバック

2006年08月28日

『ユナイテッド93』

ユナイテッド93』をユナイテッドシネマとしまえんにて鑑賞してきました。鑑賞前からかなり期待していた作品だったのですが、実際にかなりの名作だと思います。未見の方は是非見るべし。

レビューは…。ちょっと難しいですね。。頭の整理がうまくついたらそのうち書くかも。

作品評価:★5 ※採点基準はこちら

投稿者 shaw : 02:35 | トラックバック

『時をかける少女』

時をかける少女』の評判が、WEB上ですこぶる良いようなので私も観てきた。

タイムトラベル物としては、時間移動の辻褄のことを全く考えないある意味潔いシナリオで、そう割り切って鑑賞するとかなり面白いです。序盤のストーリーの展開がちょっとテンポ悪い印象でしたが、学園青春ストーリーと時間移動ネタがうまく機能してからは怒涛の展開で、あっという間にラストまで突っ走っていた感じ。

タイムリープの残り回数設定とか、かなり大味なシナリオな気もしますが、この映画はそういう細かい部分に突っ込んでああだこうだ言う映画じゃぁないですね。話の展開に身を委ねて、最後ホロリとするのが正しい(?)楽しみ方だと思います。ビバ、青春!

作品評価:★4 ※採点基準はこちら

投稿者 shaw : 02:19 | トラックバック

2006年05月23日

『かもめ食堂』

週末、久々に映画館に足を運んできた。とはいっても、今話題の『ダ・ヴィンチ・コード』が目的ではなく、佳作っぽい作品数本がお目当て。『ダ・ヴィンチ~』はしばらくの間劇場が混んでいそうなんで、もう少しの間様子見を決め込もうかと。

さて、タイトルに挙げた『かもめ食堂』という作品を池袋シネ・リーブルにて鑑賞。実はこの作品のことを先週まで知らなかったのですが、たまたま目にした評判がとても良くて、急に気になって気になってたまらず鑑賞してきたのでした。

どういう映画かというのは公式サイトをみてもらうとして、私の鑑賞後の感想は「独自の空気を持った映画」で、作品の良さを口で説明するのが難しいです。フィンランドの日常風景だったり、劇中で出てくる数々の和食(+α)だったり、キャスティングの妙だったり、この作品らしさを強調する要素はたくさんありますが、それがどう映画に反映されているのかは、実際に作品を(できれば映画館で)鑑賞してみるのが良いかと。動きの少ない映画が苦手な人には合わないかもしれませんが、まったりできる映画が好きな人には必見ですね。

作品評価:★4 ※採点基準はこちら
コーヒーとか、しょうが焼き定食とか、匂いが漂ってきそうな存在感だったなー。思い出すだけでよだれが・・・w

投稿者 shaw : 01:50 | トラックバック

2006年01月02日

『ロード・オブ・ウォー』

昨日は『ALWAYS』の他にもう一本、『ロード・オブ・ウォー』という映画も観てきました。こちらの作品は、『ALWAYS』とはうって変わって、「戦争王(ロード・オブ・ウォー)」と呼ばれたある「武器商人」のお話です。かなり酷い映画でした。いや、映画のクオリティは非常に素晴らしいんですが、主人公が酷いの誤りですね。

1980年代、まだ米ソの冷戦が続いてた頃、この映画の主人公は何か大きなことをしでかしたいと考えた。そして行き着いたのは「武器商人」。ここでいう武器商人とは、個人を相手に武器(銃)を売りさばく売人ではなく、国家レベルで武器の売買を橋渡しする「死の商人」。冷戦の終結後、必要のなくなった過剰な武器は、武器商人たちの手により、ウクライナを代表とする東欧圏から格安で政情不安定なアフリカの各国へと流れていったわけです。ここでいう武器とは、性能の良い銃だけでなく、戦車、装甲車、戦闘ヘリまでなんでもあり。で、当然それらの兵器は内戦で使用され、アフリカの諸民族は大量の血を流すわけですね。

武器商人たちも単に「濡れ手に粟」と片付けられるおいしい商売ではなく、インターポールに目をつけられ、商売客から脅しをかけられと、危険と隣り合わせではありますが、有力な武器商人はうまく危険をすり抜け巨大な財をなしていく。得た血塗られた財産も「自分が直接血を流したわけではない」。しかし実際にはいたるところで血が流され続けている現実。もう最悪です。

なんかね、この間観た『ホテル・ルワンダ』という映画がオーバーラップするんですよね。こちらは10年前にルワンダで起きたジェノサイドの真実を描いていて、もう目を覆わんばかりの現実が待っているんですが、決して生活水準の高くない国に、銃は大量に流通しているという不思議。『ロード・オブ・ウォー』を観て、あぁなるほどな、と。他にも、ルワンダが国連軍に見放され、主人公が失望するというシーンが『ホテル・ルワンダ』にあるんですが、同じく『ロード・オブ・ウォー』で主人公ナレーションが「欧米諸国はボスニア紛争でいっぱいで、アフリカを見捨てた」(かなりあやふや)と言う場面があったりもします。描く時代が重なっていることもあって、妙にリンクしているんですね。

まぁ、なんだ、両作品とも、世界で起きたこと出来事に対する再認識でり、あまり知らされていなかった事実を描いたり、民族紛争だったり、それに対する世間の無関心だったり、まぁいろいろ考える部分もあるし、人によって捉え方は違うかなぁとも思いますが、私はやっぱり一度観ておくべき作品じゃなかろうかと。あー、ぜんぜんまとまりのない文章になってしまったけど、そうことで(単に自分の考えがまとまんないだけなんだけどね、ルワンダのレビューがいつになっても書けない・・・)。

あと、新年早々に、少なくとも元旦に観る映画じゃなかったなぁ。。
作品評価:★4 ※採点基準はこちら

投稿者 shaw : 16:01 | トラックバック

『ALWAYS 三丁目の夕日』

今年も、元旦に映画を観てきました。当初の予定では、評判の良い『キング・コング』を観る予定だったんですが、予想に反して混んでた(20分前で最前列しか席が残ってなかった。話と違うよ!)ので、予定を変更して『ALWAYS』を鑑賞。

この映画、予告を観た時はそんなに惹かれなかったんですが、公開後の評判がやたらと良かったんで、観ておかないと後悔するかな、と。で、鑑賞して本当に良かったですね。

いやぁ、もう涙ぼろぼろ。基本的に涙腺が弱いんで、ホロリとするのは覚悟の上だったんですが、ホロリどころじゃ済みませんでした。私は原作を読んだことないんで知らないんですが、原作から温かい(泣きのポイント)エピソードをこれでもかというくらい抜き出して、うまく脚本にまとめ上げた感じですよね。

ストーリーは、売れない小説家と親に捨てられた少年、小さな自動車修理屋の一家とそこに就職してきた田舎娘の2つの「家族」のふれあいを軸に、飲み屋のママ、町医者たちとの絡みを取り入れて、CGを使って良き昭和の一時代を再現しながら、観客をノスタルジックな気持ちにさせるほのぼの系のお話です。私が生まれる前の東京の下町を舞台にしてますが、その時代を知らない私も「あの頃はよかったなぁ」という感慨に耽られる、なんとも凄い作品です。

公開からだいぶ経っているので、もう観たという人も多いでしょうけど(かなり興収も良いみたいだしね)、もしまだ未見なら是非。温かい気持ちになれますよ。新年早々、いい映画を観ました~。

作品評価:★5 ※採点基準はこちら

投稿者 shaw : 15:18 | トラックバック

2005年12月31日

2005年 BEST MOVIE!!

去年、一昨年に引き続き、1年を締めくくるエントリーということで。
今年封切された映画で、個人的BEST10をあげてみますが、今年は本当に映画を観てないからなぁ・・・。

1位:『サイドウェイ
2位:『ミリオンダラー・ベイビー
3位:『ホテル・ルワンダ』
4位:『シンデレラマン
5位:『サマータイムマシンブルース
6位:『スター・ウォーズ エピソード3
7位:『海を飛ぶ夢
8位:『さよなら、さよならハリウッド
9位:『ネバーランド
10位:『インファナル・アフェアIII 終極無間

うへー、10本挙げるのにえらく苦労しちゃったよ。
今年はサイドウェイとミリオンダラーの2作品が抜けてましたね。

しかし、年々映画を劇場で観る頻度が落ちていってる気がするなぁ。観に行こうと思ってた作品はもっとあったんだけどなー。

投稿者 shaw : 22:32 | トラックバック

2005年11月21日

『24 シーズンIII』

今頃になって『24』のシーズンIIIを見始めて、そしてやっぱり見るのをやめられない罠。

二日間でVol.5まで見ちゃいました(~23:00)。明日会社から続きを借りてこようっと。また寝不足になりそうだな・・・。

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5 24 -TWENTY FOUR中毒みたいです・・・・
5 やっぱりすごい!!!!
5 スケールの大きさ
投稿者 shaw : 02:23 | トラックバック

2005年10月22日

『シンデレラマン』

鑑賞してからすでに2週間経っているんですが、秋に公開映画の中でかなりの期待作だった『シンデレラマン』を鑑賞したので、感想を。

ハリウッド映画として王道を突き進むサクセスストーリーです。さらにいうと、ハリウッドのボクシング映画にははずれが少ない、という印象があるんですが、この作品もハイクォリティーでした。さらにさらに付け加えると、個人的にスポ根サクセスストーリーがツボのど真ん中ということもあって、面白くないはずがない、というか。

そんなわけで『シンデレラマン』、私には大満足な映画なのでした。「ミスター・無難」(決して貶し言葉じゃないです)ことロン・ハワード監督、これは!という突き抜けた部分はないですが、隅々まで手を抜くことなく、ボクシングの試合の臨場感も、ドラマ部分の見せ方も、けちの付け入る要素がないです。終盤、そこはかとなく漂う「死の予感」みたいな演出で、最後まで「主人公はどうなるんだろう」的なハラハラ感もあったしね(これは、私が主人公ジム・ブラドックに対する知識がゼロだったおかげだけど)。

144分と上映時間は長めですが、私はちっとも長いと感じませんでした。
好きなジャンルじゃなかったら「良くまとまった完成度の高い映画」で★4つ、とかだったかもしれませんが。。

作品評価:★5 ※採点基準はこちら

あ、あと時代背景が似ている(世界恐慌時のアメリカで、一般世間に希望の光を与えた)からか、鑑賞後に『シービスケット』を無性に見たくなったことも付け加えておきませう。

シービスケット
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5 気持ちの良い映画!
4 奇跡を呼ぶ馬が出てくる話
5 お勧めします
投稿者 shaw : 13:45 | トラックバック

2005年10月17日

『蝉しぐれ』

藤沢周平氏の代表作とも言える『蝉しぐれ』が映画化されたので、私も鑑賞してきました。ちょうど1年ほど前に、「隠し剣」シリーズの原作を読んで以来、すっかり藤沢文学のファンになったワタシ。「蝉しぐれ」が映画化されると聞いた時は、それは期待したものです。不安も半分でしたけど。

さて、実際に鑑賞してみて、なのですが…。
う~ん、どうにもしっくりいかないところだらけで、個人的には消化不良もいいところ、と言いたい。まず、キャスティングに違和感がありすぎ。子役がなぁ。前半、主人公がまだ少年期だった頃のエピソードが、別の意味でなんだか悲しくなってきましたよ、ワタシは。青年になってからのキャスティングも、もうちょっとやり方があったような。

まぁ、多少のミスキャストは演出一つでカバーできるかも、と思いつつ鑑賞を続けてたんですが、どうもこちらもいまいち。画の撮り方はうまい、というか、ロケーションがとてもいいので、劇中にはさまれる美しい風景の数々には唸るものがあるんですが、全然それが映画に活かされていない気がしたのは私だけでしょーか?
他にも、少年期の最大の山場、主人公が台車を曳くシーンとか、青年期の見せ場の一つで藤沢作品にはおなじみの「秘剣」の見せ方とか、本来ならそこでググっと盛り上がるはずのところで、逆に肩透かしをくらうこのやるせなさ。

やっぱり原作を先に読んでしまっていたのが良くなかったのかなぁ。
興行通信社によると、劇場アンケートの評判は悪くなかったそうなんですが、それが私には全然信じられないです。求めたものが高すぎたのかな・・・。できれば山田洋二に撮ってもらいたかったかも。

原作が好きな分、ちょっと今作については辛口になってしまいましたが。。
作品評価:★2 ※採点基準はこちら

蝉しぐれ
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5 なんだかもう胸がしめつけられる
5 時代小説を超えた感動
5 市井の人々の生き方が、ここにある
投稿者 shaw : 00:10 | トラックバック

2005年10月16日

『サマータイムマシンブルース』

久々に劇場まで足を運んできました。振り返ってみると2ヶ月ぶりですか…。

さて、ここのところ何本が観ているんですが、まずは『サマータイムマシンブルース』。これ、予想してたよりもかなり面白かったです。もともと舞台で上映された話を本広克行監督(映画版『踊る大捜査線』の監督)が気に入って、自分で映画化しちゃったらしいんですが、もとが舞台用に緻密に練り上げられた脚本なだけあって、ぐいぐいストーリーに引き込まれます。

タイムマシンを扱った映画って結構たくさんあると思うんですが、この映画は動機も場所も、タイムスリップする時間もミニマム。壊れたエアコンのリモコンを探しに、昨日にタイムスリップ!で、いろんなところにコネタをはさみながら、タイムスリップならではの事件が起こり、抜群のテンポで最後まで見ているワタシを飽きさせない。

なんだか魅力的なヒロイン上野樹里はじめ、お調子者3人組とか、いい感じでさめている真木よう子とか、キャスティングにまったく違和感ないし、私の好みで言えば、脚本・演出・キャスティングという、面白い映画に欠かせない重要な3要素がとても高いレベルでまとまってたと思います。

私は好きだなー、こういう作品。でも、人によっては、「別に映画館じゃなくても、テレビで十分では・・・」といいそうな、小粒感も否めないけど。。

作品評価:★4 ※採点基準はこちら

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4 単純な疑問がひとつ
4 何故THE MOVIEは完全版にならないのか
4 個人的には
投稿者 shaw : 21:51 | トラックバック

2005年08月09日

『リンダ リンダ リンダ』

ペ・ドゥナ主演の日本映画、『リンダ リンダ リンダ』を鑑賞してきました。
女子高生が文化祭でブルーハーツのコピーをやる、っていう青春もののお話です。まぁ、こんな説明じゃなんのこっちゃ、という気もしますが、気になる人は公式サイトでも覗いてみてください。

さて、この作品は、個人的なツボを抑えているように見えたので、結構期待して観に行ったんですが。
・ペ・ドゥナのにわかファン(といっても、だいぶ前に『ほえる犬は噛まない』を観たきりだけど…)。
・高校のとき、ブルーハーツをよく聴いていた。
・さわやか系(?)青春映画が嫌いじゃない(スポ根要素があるとなお良い)。
ってな具合です。

で、鑑賞してみての感想はというと。
一言でいうなら、「嫌いじゃない話だけど、テンポの悪さ(ニアリーイコール演出の悪さ?)で魅力半減」といった具合でしょうか。表現を変えるなら、「せっかく素材が良くて(脚本○)盛り合わせも良さげ(俳優○)なのに、味付け失敗(演出×)」。だから、鑑賞後も消化不良気味で、なんかもったいない感じ。

どう表現したらいいものか。うーん…。やっぱりテンポが悪い、ですかねぇ。あまり無駄なシーンはなかったはずなのに最後まで乗り切れなかったのは、やっぱり演出の悪さだと思うわけですよ。

そんなわけで、個人的な評価は★3(採点基準はこちら)です。

投稿者 shaw : 00:42 | トラックバック

2005年06月26日

『スター・ウォーズ エピソード3』

昨日、『スター・ウォーズ エピソード3』の先々行公開が行われましたね。私も早速鑑賞してきましたよ。まぁ、私の場合実は2回目の鑑賞になるんですが、前回の鑑賞ではいまいちストーリーがわからなかったので・・・(泣)

さて、仕切り直しの一戦、もとい鑑賞です。視覚的な楽しみは前回すでに十分堪能してきたので、今回はもっぱらストーリーを追うことに専念(というほど難しいストーリーでもないけど)。アナキンがどうやってダークサイドに堕ちていったのか、その心情が全然理解できていなかったのですが、その辺も今回の鑑賞で納得。いや、納得できるほどの深い理由にも思えませんでしたがw

とはいえ、鑑賞後はかなりの満足感がありましたね、私は。
エピソード1&2という長い(そしてあまり面白くない)前振りがあって、エピソード4~6というすでに完成されたストーリーもあって、その間の穴をどのように埋めるのかが今作の最大の楽しみ、もっと言うならば、アナキンがあのマスクをかぶる瞬間を見たかったのですが、その点はかなり魅せてくれると思います。

旧3部作が好きな方なら、やっぱり鑑賞すべき映画だと思いますよ。

作品評価:★4 ※採点基準はこちら

投稿者 shaw : 21:06 | トラックバック

2005年05月30日

『ミリオンダラー・ベイビー』

ミリオンダラー・ベイビー』を鑑賞してきました。言わずと知れた、今年のアカデミー賞で主要4部門(作品賞・監督賞・主演女優賞・助演男優賞)を獲得した作品ですね。

いやぁ、本当に素晴らしい映画でした。レビューを書くときは、いつも語彙力の弱さもあって苦労するんですが、今作の場合は「素晴らしい」という表現以外に見つからないですね。

作品評価:★5 ※採点基準はこちら

それぞれ抱えている心の傷がある。その傷をお互い埋めあうことで、良き信頼関係が築かれる。そして、そこから生まれるサクセスストーリーがある。ここまでは、今までにもいろんな映画で描かれてきたと思います。だけどこの作品はそれでは終わらない。ある悲劇が待ち受けていて、そこからの展開は賛否が分かれるかもしれませんが、私は激しく心が揺さぶられました。下手なことを書くと寝たばれにつながりそうだから詳しくは言わないけど。。

それにしても、最近のイーストウッドは神がかっていますよね。傑作『ミスティック・リバー』の次がこの作品とは・・・。人間ドラマを撮らせたら右に出る人はほとんどいないですね。次回作も期待して待ってます。

ミスティック・リバー
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4 ちからづよい演技にひきこまれます。
5 エゴが振りまいた悲劇
5 こんな名作が不人気とは悲しい。人生はミスティックリバー。

『キングダム・オブ・ヘブン』

リドリー・スコット監督最新作『キングダム・オブ・ヘブン』を鑑賞してきました。
この映画、社内ですでに鑑賞した人たちの感想が総じて悪かったので、映画館で観ようか大いに悩んだんですが、最近スペクタクル巨編な作品を全然見てなかったし、十字軍遠征という日頃全然なじみのないテーマにちょっと惹かれたのと、刺激という面でも新味がありそうにも感じたので、まぁ損はしないだろうと判断したのですが・・・。

でも、映画を見慣れている人の意見は、もっと尊重するだったなぁ・・・、と鑑賞後しばらくしてから後悔しちゃったのでした。無宗教で、神様の存在を信じたことがないからなのか、ストーリーに漬かることが出来ない、というか、全編を通して退屈気味に感じてしまったんですよねぇ。

まず、主演のお二人があまり良くない。
で、ウリのはずの戦闘シーンにも興奮しない。攻城戦なんかは、「二つの塔」と違いがわかんないですし、野戦で大勢の人馬がかけるシーンもそれほど迫力を感じないし。感覚が麻痺してきているのかな。
パンフレットを読んだかぎりでは、一応実在の戦いをモチーフにしたようですが、脚本があまりよくなかったのか、いまいち見せ場の欠ける展開に、最後まで乗り切れなかった感じです。

『グラディエーター』が面白い映画だったので今作も期待してた面があるのですが、今回はあまりリドリー・スコットの持ち味が活かされていなかったような気がしますねー・・・。残念。

作品評価:★3 ※採点基準はこちら

グラディエーター
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在庫切れ
おすすめ度の平均: 4.09
4 娯楽大作-ホアキン・フェニックスの怪演が光る
3 戦い物は嫌いだったけど・・・
5 男の中の男
投稿者 shaw : 01:02 | トラックバック

2005年05月09日

『海を飛ぶ夢』

新宿武蔵野館にて、『海を飛ぶ夢』を鑑賞してきました。
個人的に、武蔵野館ってそんなに混む劇場という印象がないのですが、この日はやたらと混んでて、30分前に劇場に着いて立ち見の羽目に・・・。

さて、この作品は、事故により首から下が不随の身になった、ラモン・サンペドロという実在した方の、「尊厳死」をめぐっての半伝記映画です。二十数年間、ベッドで寝たきり生活を送ってきた主人公が、ついには尊厳死という道を選びながらも、世間からも法律上でも認められないため、弁護士や尊厳死協会の協力のもと闘っていく(という表現は微妙だな・・・)という話です。

生と死がテーマの作品なので、鑑賞中はちょっと気持ちが重くなるし、当事者達の立場だったらどう考えるだろうか、とついつい物思いに沈んじゃいますが、鑑賞して良かったなぁと思ってます。

テーマがテーマなので、鑑賞後に感じることも人それぞれでしょうけど、個人的にはお薦めの作品ですね。

作品評価:★4 ※採点基準はこちら

投稿者 shaw : 00:46 | トラックバック

2005年05月07日

『アビエイター』

劇場公開終了間際になっちゃいましたが、先日『アビエイター』を鑑賞してきました。
スコセッシ監督&ディカプリオという組み合わせは、『ギャング・オブ・ニューヨーク』と同じで、私は『ギャング~』はいまいちだったんでちょっと不安な気持ちがあったのですが、観てみるとかなりの完成度でしたね。まー、今年のアカデミー賞で、ノミネート数が最多だった(11部門、うち受賞が5部門)ことを考えると、完成度が低かったらまずいんですがw

ここで今更解説する必要もなさそうですが、ハワード・ヒューズという大富豪の伝記映画です。
伝記という性格上、下手をすると単調な演出になってもおかしくないんですが、『アビエイター』に関しては、タイトルどおり飛行機と作って飛ばす、というシーンが多いこともあって、例えば『地獄の天使』というハワード・ヒューズが実際に撮った飛行機映画の撮影シーンとか、飛行中の事故シーンなど、迫力満点の見せ場が多かったです。航空事業家、派手な女性関係、そして本人の奇癖という3つの要素が上手くバランスをとりながら、最後まで飽きさせないつくりは、正直上手いなぁと思いました。それでも、やっぱり尺がちょっと長い気はしますけどね。

ちょっとまとまりのなさも感じましたが、それでも私の好感度は高い作品でした。
あと、劇場で観たほうが間違いなく面白い映画だと思うので、興味のある方で未見の方は(まだ公開中かは別として)是非劇場へ。

作品評価:★4 ※採点基準はこちら

投稿者 shaw : 01:07 | トラックバック

2005年05月05日

『さよなら、さよならハリウッド』

ウディ・アレンの新作(といっても、本国での公開に遅れること2年・・・)、『さよなら、さよならハリウッド』を恵比寿ガーデンシネマにて鑑賞しました。先に『サマリア』のレビューを書いてますが、観た順番は逆ですね。

私、それほどウディ・アレンファンというわけでもなかったのですが、前作『スコルピオンの恋まじない』がかなりお気に入りで、今では「洗練された軽妙な都会派コメディ」を撮らせたらこの人にかなう人はいないと思ってます。まぁ、そもそも最近そういうジャンルの映画自体全然見かけないんですけどね。

さて、この『さよなら、さよならハリウッド』。ウディ・アレン本人が、「自分が撮ってきた作品の中で最高傑作」と言っているだけあって、さすが完成度が高いです。お約束な笑いのとり方に、他の監督だったらうんざりしそうなところを、本人が演じていることもあってか、自然にケラケラ笑えるのが凄いと思います。笑いのテンポがとてもいいんですよね。いや、本当に職人芸だと思います。

で、なんと言ってもオチの落とし方が最高です。あぁ、タイトルの意味はそうだったか、と頷きながら、すっきりした気持ちでエンドロールを迎えたのでした。やっぱり映画はこうじゃなきゃね。軽妙すぎて後に残らない、という難点もありますが(笑)、それがウディ・アレンクオリティってやつなのです、多分。

作品評価:★4 ※採点基準はこちら

と、ここまでかなりべた褒めしてますが、正直この人の映画は好き嫌いが出やすいと思うので、監督作品を未見の人ははずれを引く覚悟も必要なことだけお忘れなく。
とりあえず、
・30~50年代のスクリューボールコメディに目がない。
・前作、または前々作が楽しめた。
という人には確実にお勧めできると思いますがねー。

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5 きました!!
5 言葉の小道具が一杯散りばめられた映画
5 ロマンスの神様、この人でしょうか?
投稿者 shaw : 02:53 | トラックバック

『サマリア』

またもや、映画のレビューが久々になってしまいましたね。
この1ヶ月間、まったく新作映画を観てなかったもんで。
これじゃいかん、ということで、このGW中に4本の鑑賞予定を立てて、現在順調にそのスケジュールを遂行中。

で、まずは恵比寿ガーデンシネマにて、『サマリア』という韓国映画を鑑賞。
話の核である「援助交際」と、親友の死、そして父親の葛藤と、重く暗いテーマの作品で、正直私が好きになる映画じゃなかったですが、鑑賞後の衝撃というか、強く印象に残る作品ではあります。

作品評価:★3 ※採点基準はこちら

直前に鑑賞した『さよなら、さよならハリウッド』と正反対の作風だったから、余計どきつく感じたのかもしれませんが・・・。

投稿者 shaw : 02:21 | トラックバック

2005年03月07日

『サイドウェイ』

今年のハリウッド映画の賞レースで、俗に「批評家賞」と呼ばれるものをほとんどさらっていき、オスカーでも数部門にノミネートされた『サイドウェイ』という作品が、昨日日本でも封切されたので早速鑑賞してきました。

このエントリーでも軽く触れたように、前々から個人的にもかなり期待してた映画だったのですが、情報を集めすぎると鑑賞時にがっかりしちゃうことが多いので、「ワイン」好きの「中年男」二人による「ロードムービー」という最低限の予備知識だけで鑑賞。

さて、鑑賞してみての感想ですが。
予想通り(いや、予想以上?)の素晴らしい作品でした。久々に、エンドロールが終わってもその余韻を引きずることの出来る映画で、個人的にはかなりツボを突かれた感じですね。

あらすじを簡単にいうと、ワイン好きの主人公と、結婚式を間近に控えた女好きの友人二人で、ワインを巡る旅行に出掛け、そこで出会う女性との交流で変わろうとする主人公達の悲喜こもごもを描いたロードムービーです。その中には、ワインに対する薀蓄あり、笑いあり、涙あり(という人もいると思う)で、エピソードの一つ一つが心温まる、まさに「人生が成熟していく贅沢な寄り道(映画のコピー)」な作品なのです。

で、不器用な主人公と自分を重ねてみちゃうんですよ、劇中で。すると身に染みてくるものが多々あって、ジーンとしちゃうんですね。いやぁ、もう感情移入しまくりです。そういう人多いんじゃないですかね、この作品は。

私はワインに対する知識はかぎりなくゼロで、作品中でちりばめられている薀蓄の数々はさっぱりでしたが、そのワイン話に重ねられた、人生に対する比喩は胸に来るものが多かったです。マイルスとマヤの二人で、ポーチで語り合うシーンなんて、今こうやって感想を書きながら思い出していても、こみ上げてくるものがありますもんね。

中年男女のやりとりに感情移入できるかどうかで作品の評価は変わってきそうですが、私にとっては「珠玉の1本」です。まぁ、こういう話に感情移入できるような歳になってきたのかと思うと少々複雑な気もしますが・・・。

作品評価:★5 ※採点基準はこちら

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2005年03月06日

『オーシャンズ12』

昨日、久々に劇場で2本はしごしてきたんですよ、六本木ヒルズで。で、経験上、はしごして2本とも面白かったという記憶がないんですが、昨日のはひどかった。

えぇと、昨日見てきた作品は、
1本目:『サイドウェイ』(公開初日、期待度★5)
2本目:『オーシャンズ12』(まもなくファーストラン終了?、期待度★2)

期待度がまんま面白さに反映されてたという点で、ある程度予期は出来てたんですが、正直『オーシャンズ12』のほうは、金払って失敗したと思いました。えぇ。途中退席(映画館ではまだやったことない)を真剣に考えてしまいましたからねー・・・。

もともと、「面白さ」という点ではかなり辛口評価な作品だとは思うんですよ。でもこんなにストーリーが面白くないと正直悲しくなります、私は。「豪華キャストが楽しんで撮った映画」というのもいいのかもしれませんが、映画としての面白さを破棄しちゃってはいかんでしょう。まぁ、人によっては全然違う部分に映画としての面白さを見出せるんでしょうけど、私にはさっぱりでした。

作品評価:★2 ※採点基準はこちら

職場の方が、「いつ面白くなるか我慢しながら鑑賞してたら、そのまま終わってしまった」といってましたが、実に的を得た感想だと思いましたw

投稿者 shaw : 23:30 | トラックバック

2005年02月27日

『ネバーランド』

久々に映画館に行ってきました。鑑賞したのは『ネバーランド』。今年のアカデミー賞でも数部門にノミネートされている、「ピーターパン」誕生秘話を描いた感動作です。

大変よく出来た映画でした。以上。

作品評価:★4 ※採点基準はこちら

・・・。
いや、ホントに良く出来た映画だったんですが、こう感想を書こうとしてもいまいち強調できる部分がないんですよねー。映画館からの帰り道、どう感想にしようかなと思って、設定が似ている『恋に落ちたシェイクスピア』と比較していると、なんだか勝っている要素があまりないかもなぁ、と。ちょいと小粒とでもいうか。。

恋に落ちたシェイクスピア コレクターズ・エディション
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おすすめ度の平均: 4.48
5 あらゆる意味で美しい作品
5 何度観てもすばらしいから、何度も観てしまう映画
5 豪華絢爛たるイギリスとシェイクスピアを描いた素晴らしい作品!
投稿者 shaw : 23:04 | トラックバック

2005年02月16日

『インファナル・アフェアIII 終極無間』

一足というか、二足くらいお先に『インファナル・アフェアIII 終極無間』を鑑賞する機会に恵まれました。というのも、関係者向けのプレミア試写というのが今日行われたのですが、まぁ私も関係者の端くれだったこともあって、職場のかたが「せっかくだから行ってきたらいいよ」と試写状を私に分けてくれたのでした。なんという幸運!

てなわけで、早速ですが鑑賞してきた感想を(ちょっと自慢げ)、といきたいのですが、それがなかなか難しいんですよ、これが。なぜって?そりゃ、あれですよ。ネタばれ直行だからに決まっているじゃないですか。そもそも『インファナル・アフェア』の1作目(当然2作目も)を鑑賞している事を前提に作られた話なので、前作のネタばれからはじめなければ今作『終極無間』のことを詳しく語れない!

逆にいうと、シリーズに興味のない人にいくらお薦めしても話にならない、ということですねー。個人的には、未見の方にはぜひとも一度1作目を観てみて欲しいわけですよ。もったいないですよー。

おっと、わき道にそれちゃいましたね。
さて、ストーリーを伏せたまま、『終極無間』の率直な感想を述べますとですね、面白かったけれど消化不良気味といったところでしょうか。1作目のストレートでスタイリッシュな作風とも、2作目のの泥臭いいかにも香港映画という作風でもない、ちょっと観念的な要素も混ざった作品になってます。で、話が過去と現在で交錯する関係で、劇中時間軸が行ったり来たりするんで、少々混乱しちゃうんですね。最後まで鑑賞して、そういうことだったのかという納得と、いまいち腑に落ちない疑問がうずうずして、それがなんとなく消化不良になっているんですね、私の中で。鑑賞後に、ネタばれ気味のプレスを読みながら、もう一度全てを把握した上で鑑賞しなおすと、もやもやが晴れて「3部作完結」の重みをしっかりとかみしめるのかもなぁと思ってます。

というわけで、劇場公開が始まったら、もう一度じっくり鑑賞してみようと思っているわけですが、その頃にはまた細かいことを忘れてちゃって、鑑賞後には結局?が残ったままだったりして・・・。

作品評価:★4 ※採点基準はこちら

あと、鑑賞前に前作の復習は忘れずに~。

インファナル・アフェア
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おすすめ度の平均: 4.8
5 極上の作品。
5 最高だ・・・。
5 エポック・メイキング
投稿者 shaw : 00:28 | トラックバック

2005年02月12日

『ボーン・スプレマシー』

昨日から日本でも公開が始まった『ボーン・スプレマシー』、観ました?
って、問いかけられても困りますよね。いや、すんません。本当は3週間ほど前にUIPの試写室で観る機会に恵まれて(山本太郎がすぐ後ろに座ってた)、その直後に自慢げにレビューを書く気満々だったのに、気がつけば普通に公開が始まってしまいましたねぇ。

前作、『ボーン・アイデンティティ』が、なにげに結構好きな作品で、今作も期待してたんすよね。で、観てみるとほぼ期待通りの良い出来だったように私は思いました。レビューを書くにはちょっと日が経ちすぎて、鑑賞後の程よい興奮がすでに残ってないんですが、珍しくカーチェイスでドキドキしたのは覚えてます。画面がグラグラしすぎて、酔い気味になったけどw

前作の良かった点は、知的なアクションの見せ方(闘い方や逃げ方が、ドンパチやるだけでない)と、それにはまっていたマット・デイモンだと私は思うのですが、今回もその良い点を残しつつ、ちょっとアクションにも力を入れてみました、という感じの仕上がり具合ですかね。最近はやりなのか知りませんが、少々ハンドカメラのグラグラ感が気持ち悪いきらいがあって、そこが個人的には気に入りませんが、追いつめられつつ追いつめるストーリー展開のテンポがとても良く、個人的にはかなり楽しめましたデス。

作品評価:★4 ※採点基準はこちら

ちなみに、今原作も読んでます。まだ「暗殺者(「前作、ボーン・アイデンティティ」の翻訳版)」の途中ですが。「映画のストーリー、原作とは全然違うよ」、とは耳にしてましたが、本当に全然違いますw
先に小説を読んでしまっていたら、多分映画の方は物足りなくなるかも・・・。

暗殺者 (上)
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3 文章が硬い
5 最高傑作!
5 映画版とは違う
投稿者 shaw : 22:18 | トラックバック

2005年01月26日

『たそがれ清兵衛』

昨日このBLOGで取り上げたばかりの藤沢周平氏。氏の代表作は?という質問に、ファンの方の回答はさまざまありそうに思いますが、世間一般の知名度でいえば『たそがれ清兵衛』の名前もでてくるんじゃないでしょーか?そう、2年以上前に映画化され、観た人を感動の渦に巻き込んだ作品ですね。原作は、短編集の中の一編に過ぎないそうですが。

さて、その『たそがれ清兵衛』ですが、私はまだ観た事がなかったんですね、実は。まぁ、もともと邦画を見る頻度がとてーーも低いこともあって、いい映画だよ、という評判が多くてもこれまでスルーしてきてたのでした。でも、やっぱり原作者のお話がとても素晴らしいので、そうなると映画のほうも気になってくるというのが人情というもの。というわけで、やっと重い腰をあげたのでした(←そして、またやたらと長い前置きに・・・)。

で、観てみた感想ですが。
いやぁ、とってもいい映画でした。もっと早くに観ておくんだったですよ。ていうか、劇場で観るべきだったとまたしても後悔・・・。
なんといっても、藤沢氏の原作で醸し出される、あっさりとしているようで味わい深い日常風景の雰囲気が上手く再現されている。で、その中で主演の真田広之、宮沢りえが抜群の演技でみせてくれます。そして、それが作風と見事に調和してる。おそらく、シナリオは原作にかなり付け足されているんじゃないかなと思いますが、最後までとても美しい話で、個人的にけちのつけるような要素はなかったです、ハイ。

去年のアカデミー賞で、確か外国語映画賞にノミネートされてたはずですが、それも納得。少なくとも、映画の完成度は『ラスト サムライ』よりはるかに高いと思います。比べるべきじゃないかな。

というわけで、余韻に浸れる大変素晴らしい映画でしたー!
作品評価:★5 ※採点基準はこちら

たそがれ清兵衛
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おすすめ度の平均: 4.29
5 日本映画屈指の傑作
5 特典が多くてお買い得です。
5 最後の1分間
投稿者 shaw : 00:15 | トラックバック

2005年01月02日

『奇人たちの晩餐会』

以前、職場の先輩から『奇人たちの晩餐会』という映画が面白いよ、と教えてもらったことを思い出したので、レンタルして鑑賞してみました。

かなり変わったフランス映画です。映画の雰囲気はフランスっぽいけど、フランスでもこういう映画もあるんだなぁ、と私には新鮮な「毒」が混ざった映画です(何でも本国では大ヒットしたらしい)。で、かなり悪趣味だけど面白い作品です。一口に説明するなら、「まともなつもりのバカがバカを笑ううちに、日々の悪行(?)のためにどん底に落ちて、そこをバカに救われる」という作品です。ますますわからないか。ちょっと私なりに作品紹介してみよう。

毎週水曜日に開かれる晩餐会。この晩餐会には大物・有名人などが集まるのだが、その参加には一つ条件があった。それは、必ず一人「奇人」を一緒に連れてきて、何かエピソードを語ってもらう、というもの。そして、当人たちに気づかれないところで、そのNO1「奇人」を決める、というなんとも悪趣味なことをおこなっていた・・・。さて、主人公はこの晩餐会に参加したくて、一緒に連れていく「奇人」を探していた。主人公の知人が新幹線でたまたま見つけた「参加資格者」に実際に会ってみた主人公は、たちまち彼に振り回され、そのうちとんでもないことに発展していくのだった・・・。

このとんでもないこと、というのが、画面の雰囲気は違っても、往年のハリウッド映画のスクリューボールコメディっぽくて、私には結構はまったのでした。ちょっとイラつく場面もありますが。まぁ、基本が「バカを笑う」という悪趣味なコンセプトにあるんで、そこを不愉快に思う人も多いようで、賛否は分かれているようですね。そんなこんなもあって、人には気軽に薦められる作品ではないのですが、私は結構楽しめたので、一応ご紹介まで。

作品評価:★4 ※採点基準はこちら

奇人たちの晩餐会 リマスター版
パンド (2003/08/08)
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おすすめ度の平均: 3.67
2 テンポが遅すぎる。
4 これもやっぱりアルバトロスか…
5 凄い!フランスの三谷幸喜か?ジャックビルレ
投稿者 shaw : 15:53 | トラックバック

2005年01月01日

『ターミナル』

新年早々、今年も映画館に足を運んできました。去年の、単館系を中心にはしご計画を立てて、そのほとんどが休館で見ることができなかった、という悲しい経験を踏まえて、今年はシネコンをメインに計画を立てようかと。でも、実際に観たい映画を探してみると、なんか全然見当たらないんですよ、これが。『ターミナル』はこの日のためにとっておいた(?)んですが、他に金を払ってまで観たい作品がなかったので、結局私のホームグラウンドである板橋のワーナーマイカルに行ってきました。

映画館、意外と混んでました。ファーストデイサービスで1000円ということもあるんでしょーけど、正月に暇している人も多い、ということなんですかね。

さて、どうでもいい前置きが長くなりましたね。いつものように、私なりの『ターミナル』レビューです。
ストーリーは、母国の崩壊により、空港からでられなくなった男(トム・ハンクス)が、空港内で生活をしているうちに、そのまわりの人々に幸せを呼び起こしていく、なんか誤解を招きそうですがそんなお話です。余談ながら、実際にフランスのド・ゴール空港にいる(いた?かも)空港男にヒントを得てつくられたストーリーとのことで。

映画のほうは、あんまり大作感のない作品でしたが、スピルバーグ監督らしい軽妙なテンポと隙のない演出で、笑いあり、かるい涙もありのなかなかの良作でしたね。設定にいろいろ無理があるようにも思いますが、その辺はなにも突っ込まずに、ちょっと現実離れしたファンタジー作品として観ることができるようだと、誰にでも楽しめる映画だと思います。まぁ、誰にでも楽しめるような映画になっている分、強く私のツボを突くような部分もあんまりなかったので、時が経つとあまり印象に残っていない可能性も高そうですが。そう意味では、同じスピルバーグ監督作『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』と似た空気を持った作品ですね。どちらも、私は嫌いじゃないですが。ちょっとした息抜き映画にどうぞ。

作品評価:★4 ※採点基準はこちら

キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン
ドリームワークス (2003/08/22)
売り上げランキング: 176
在庫切れ
おすすめ度の平均: 4.35
5 とにかく良かった!!
4 Change you if you can
5 スピルバーグ改心の爽快作
投稿者 shaw : 22:52 | トラックバック

2004年12月31日

2004年 BEST MOVIE!!

去年も大晦日にやったんですが、やっぱり個人的にこのエントリーは、年の瀬には欠かせないですね。ということで、早速今年封切された映画の中から、私のBEST10をあげてみたいと思います。

1位:『シービスケット』
2位:『スクール・オブ・ロック』
3位:『スーパーサイズ・ミー』
4位:『ミスティック・リバー』
5位:『ジョゼと虎と魚たち』
6位:『下妻物語』
7位:『スパイダーマン2』
8位:『ドラムライン』
9位:『スウィング・ガールズ』
10位:『インファナル・アフェア 無間序曲』

去年同様、ハリウッド大作があまり上位に来てない(というより、ほとんど観てない・・・)というのと、日頃あまり見ない邦画が3本も名を連ねているところが特徴的かなー。あと1~3位は甲乙つけがたい感じなんですが、まぁ暫定的な順番ということで。

投稿者 shaw : 23:22 | トラックバック

『下妻物語』

個人的に、今年公開された作品の中で、劇場で見逃して気になっていた作品NO1だった『下妻物語』、気がつけば(1ヶ月くらい前に・・・)レンタルが始まっていたようなので昨日レンタルして鑑賞してみました。

さて、この『下妻物語』という作品、茨城県(で当たってます?)の下妻という田舎で繰り広げられる、ロリータファッション娘・桃子(深田恭子)とヤンキー娘・イチゴ(土屋アンナ)の不思議な友情を描いたヒューマンドラマです。初めて予告で(1年以上前?)、ロリータファッション姿の深田恭子が空を飛んでいる映像を見て、「なんだ、これ。とんでも映画か??」と思ったものですが、蓋を開けてみればなんと熱ーい友情ドラマだったんですね。すっかりだまされました、私w

で、鑑賞後なのですが・・・。不覚にも思いっきり涙してました、ハイ。完全にやられました。これまでにもいくつかの映画レビューで書いたかもしれませんが、実は私涙腺がとても弱いのです。そして、こういう不思議な縁とか固い友情とか、そういうのがツボにくるんですね。中盤、これまで他人に心を閉ざして生きてきた桃子が、イチゴに心を開いていくくだりからもうホロホロきちゃって。いや、こういう映画でいいように泣ける自分が好きですw

なんといいますか、主演の二人があまりにもはまり役なのがこの映画の最大の成功要因じゃないですかね。深田恭子のロリータファッション(とナレーション口調)が全く違和感ないというのが凄い!いや、この役を演じるために生まれてきたといっても過言じゃないはずだ(←言いすぎ)。もう、土屋アンナにいたっては、もともとヤンキー娘だったに違いない!!というくらい、はまってます。

多分、第一印象と鑑賞後の感想はだいぶ違うんじゃないですかね。個人的にはかなりのヒット作でした。もし、見た目で敬遠しているなら、それはもったいないことをしている可能性が大です。だまされたと思って、是非鑑賞してみることを私は薦めます~♪

作品評価:(限りなく★5にちかい)★4 ※採点基準はこちら

下妻物語 スタンダード・エディション
東宝 (2004/11/26)
売り上げランキング: 433
通常24時間以内に発送
おすすめ度の平均: 5
5 一度は観ておきたい秀作!
5 B級コメディのようで、実は感動の青春映画
5 最高*
投稿者 shaw : 22:25 | トラックバック

2004年12月27日

『スーパーサイズ・ミー』

今年のサンダンス映画祭で話題になってからずっと気になっていた『スーパーサイズ・ミー』、やっと日本でも公開されたので、早速鑑賞してきました。アメリカで社会問題になっている「肥満」はなぜ起きるのか、実際に起きたマクドナルドへの訴訟にヒントを得た監督が、自ら「1ヶ月間、マクドナルドで売られているものしか食べない」というアホみたいな実験を行ったドキュメンタリー映画です。発想からして面白そうじゃないスか?

で、鑑賞後ですが、久々に考え込んでしまいました。映画の内容に対してもそうですが、それよりも自分の今の食生活ってヤバイ!という危機感が・・・。

わたし、一人暮らしをはじめてからかれこれ8年近く経ちます。そのはじめの4年間(大学生時代)はそれなりに自炊もしてたし、あまり外食に頼らない(コンビニ弁当含む)生活をしていたつもりなのですが、東京に出てきて、特に今の職場に転職してからは、帰りの時間が遅いこともあってほとんどの食事を外食頼りになってしまっているんですよね。まだ体に変化が特にないので、「俺は太らない体質に違いない」とたかをくくっている感じが大いにあるのですが、『スーパーサイズ・ミー』を見てみると、それはたまたまなのかもしれない、いや今までの規則正しかった頃の食生活の貯金を使っているだけで、いずれ私の体にも変化が起こり始めるかもしれない、と思うとはやくもびびりが入ってます。いやぁ、本気で自分の食生活のあり方を見直そうっと。

危機意識を持っただけではなくて、ドキュメンタリー映画としても非常に良く出来ていると思います。まず、アメリカの肥満問題について、映像とデータを上手く使ってわかりやすく解説しながら、危機意識を盛り上げていくくだり。そして、この作品のメインである「マックだけの1ヶ月間」を、はじめはおかしく楽しく、そして終盤はまわりの人に止められながらも実験をやり遂げていく過程の変化の見せ方。体重が増えていく、というのはある程度予測できるんですけどねー。

作品評価:★5 ※採点基準はこちら

普通の生活を送っていたら、「マック食オンリー」などというシチュエーションはありえないと思いますが、それに近い生活を送っている人はいると思う。それがどういう風に体(と精神)に影響を及ぼすか、せっかく監督が体をはって見せてくれたわけですし、ちょっとでも心当たりのある人は是非一度鑑賞してみることをお薦めします。

投稿者 shaw : 21:15 | トラックバック

2004年12月13日

『赤ひげ』

先週に引き続き、黒澤明監督作品を鑑賞。今日は『赤ひげ』です。
暴れん坊将軍なんかでもおなじみ(でしたよね?たしか)の「小石川養生所」に着任した主人公保本(加山雄三)が、通称赤ひげ(三船敏郎)先生と出会うことで、医者として、そして人間的に成長していくという話です。

作品紹介やレビューを読んである程度覚悟はしていたのですが、鑑賞中泣いちゃいました。いや、号泣といってもいいかも。小石川養生所は、お金のない庶民のための施設なわけです。で、患者はみな貧乏に苦しんだ人生を送ってきてて、中にはとんでもない過去を背負ってきた者もいる。この作品の前半は、その患者達の死の間際または死後に明らかにされる、重く、しかし純粋な生き様が描かれているのですが、ここですでに私の涙腺は緩みっぱなしです。

そして、なんといっても、赤ひげこと三船敏郎の存在感。悲しいエピソードの連続なのに、決してこの作品が暗くならず、常に前向きに思えるのは、赤ひげ先生の人情あふれる暖かさがあるが故でしょう。時には、町奉行を暗に脅迫したり、ならず者相手に手加減無しの大怪我を負わせたり。しかし、自分の患者や助手達にはひたすら暖かいまなざしを送り続ける。素晴らしいじゃないですか。

作品後半は、心に深い傷を負った少女と主人公の触れ合いによって、主人公の成長の描写に主眼が置かれます。少女の看病のあと、逆に倒れた主人公を看病する少女のシークエンス。その後の、やたらと大人びている「子鼠」と呼ばれる少年と、心の病から立ち直った少女とのやりとり。どれも秀逸なシーンだと思います。あくまで、悲しみの中に希望が失われないというスタンスが素晴らしいですよね。終わり方も隙がないし、とても良い作品にまた巡りあいました!

作品評価:★5 ※採点基準はこちら

赤ひげ
赤ひげ
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東宝 (2002/11/21)
売り上げランキング: 4,900
通常4~6日以内に発送
おすすめ度の平均: 4.89
5 保本登の成長物語
5 日本人の生き方を支える「倫理観」の原点がここに
5 山本周五郎の名作をみごとに表現
投稿者 shaw : 00:54 | トラックバック

『モーターサイクル・ダイアリーズ』

今日、やっと『モーターサイクル・ダイアリーズ』を鑑賞してきました。革命家として有名なチェ・ゲバラが、若かりし頃に実際におこなった南アメリカ大陸縦断旅行を、ロードムービーとして再現した作品です。

実は、評判がとても良いわりに、私はあまりこの作品に興味を持っていなかったんですよ。ただ、やっぱりその評判の良さをみてると気になってきちゃって。で、今日恵比寿まで行ってきたんですが、観てきて良かった!とても素晴らしい作品でした。

★4 ※採点基準はこちら

けど、どう素晴らしかったかを文章にするのは難しいですねー。ロードムービーの何がいいかって、道中起こるさまざまなイベントだったり、大自然の描写であったり、そしてその過程で描かれるキャラクターの成長だったり、出会いと別れだったりと、まぁそういう要素がうまく絡み合うことで、良く出来た映画になると思うのですが、『モーターサイクル・ダイアリーズ』はこのバランスが絶妙で、かなり高いレベルで完成されていると思います。

そして、いい映画に欠かせないのが、良い演技。若きチェ・ゲバラを演じるガエル・ガルシア・ベルナルの、人として魅力あるれる自然体演技が、この美しい作品に一役買っているのはいうまでもないかと。共演ロドリゴ・デ・ラ・セルナの陽気で気さくな人物との相性もばっちりだしね。

あくまでこの作品は、「革命家」になる前の、若き日のチェ・ゲバラが体験した旅行日記なんですが、この魅力的な作品のおかげで私もチェ・ゴバラという人物に興味が湧いてきました。今度、関連書でも読んでみようかな。

投稿者 shaw : 00:15 | トラックバック

2004年12月11日

『カンフーハッスル』

昨日、元旦公開で話題(というわけでもないかな?)の『カンフーハッスル』の試写に行ってきました。
日本でも笑いの渦を巻き起こした、あの『少林サッカー』の監督・主演、チャウ・シンチーの新作です。映画を一口にまとめると、「バカカンフー映画」に尽きると思います。『少林サッカー』のやりすぎさ加減が子供に思えるくらい、カンフーを題材にして徹底的に好き勝手やってます。

で、個人的感想なのですが、これがどうもいまいちなんですよねー。
確かに笑えるシーンは結構あった。キャラ設定も面白いし、ワイヤーアクション全開のカンフーシーンもはじめのうちはそれほど違和感なく、結構興奮できる仕上がりだった。のですが、後半のはやりすぎかなぁ、と。楽しめる人は最後まで楽しめるかもしれませんが、私はちょっとひいちゃったな・・・(飽きちゃった、と言い換えることも出来るかも?)。『少林サッカー』は最後まで笑いっぱなしだったんですけど、この差はなんだろう。私の中の「やりすぎ」の許容範囲を超えてしまったということなのかなぁ。

作品評価:★3 ※採点基準はこちら

なんのひねりもない表現を使うなら、「ドラゴンボール」をオール東洋人で実写化したらこうなります、という感じですかね。私は、漫画の世界(世界観)は、あくまでも漫画というのが前提にあるので、どんなにはちゃめちゃであっても楽しめるんですが、それが実写になって微妙な現実感が醸し出されると、その世界を割り切って見れなくなってしまう、というところがあるのかもしれない。

そういえば、『マトリックス レボリューションズ』を観た後も同じようなこと思ったっけなー・・・。

少林サッカー デラックス版
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売り上げランキング: 3,628
通常4~5日以内に発送
おすすめ度の平均: 4.24
4 文句無しの馬鹿映画だッ!
5 極上のB級!
4 香港映画の真骨頂
投稿者 shaw : 20:39 | トラックバック

2004年12月06日

『天国と地獄』

自分で言うのも変ですが、ここのところ映画レビューが多いですね。それだけ映画を観ることができているという証拠でもあるので、個人的には良いことだと思っているのですが、対象作品が往年の名作ばかりというのもちょっと。つまり、劇場で観たい映画が少ないという裏返しでもあるので・・・。

そのことは置いておいて、今日は調子に乗ってもう一本。
黒澤明監督作品『天国と地獄』を鑑賞しました。『用心棒』、『椿三十郎』と時代活劇を続けざまにみて、「傑作だ!」と連発してきましたが、全然違うサスペンスというジャンルでまたしても傑作映画に出会ってしまいました。いや、本当に傑作としか言いようがないです。

なぜ傑作なのか、その理由はこれまで観てきた黒澤監督作とほとんど違いはありません。
1.当然ながら、脚本の出来が素晴らしすぎる。
2.比類のない演出力とそれに応える名優たち。
3.白黒映画の特色を知り抜いているからこそ撮れる数々の名シーン。

まず、冒頭の会社重役達とのやりとり。『七人の侍』~『椿三十郎』の刀を差した三船敏郎の印象が強すぎてちょっと戸惑うも、あいかわらずの存在感にいきなりぐいっと引き込まれるんですねー。
で、ストーリの核となる誘拐事件。それも、実は自分の息子ではなく、お抱え運転手の息子というひねりが、その後の緊張感を巧く引き立てていて、思わずうなってしまうわけで。さらに誘拐犯とのやりとり。最大の見せ場はなんといっても現金引渡しの特急でのシーンですよね。あっという間に通り過ぎて行く鉄橋を見ながらハラハラ。

ここまでは、犯人の指示に対して、関係者はひたすら受け身で重たい緊張感のみの展開だったのが、ここからは犯人を追う刑事達の活躍にシフトチェンジ。地道な努力の積み重ねが最後カタルシスとなって現れる展開、最高ですねー。

いつもどおり、私の実力ではうまく言葉でこの面白さを伝えられないのが残念なんですが、未見の方は是非是非。

作品評価:★5 ※採点基準はこちら

天国と地獄
天国と地獄
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東宝 (2003/02/21)
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おすすめ度の平均: 4.68
5 日本の車窓から
5 模倣犯も出るほどの作品
5 息の詰まるような緊張感!サスペンス映画の古典!
投稿者 shaw : 00:57 | トラックバック

2004年12月05日

『ヨーク軍曹』

『赤ちゃん教育』に引き続いて、ハワード・ホークス監督作品の『ヨーク軍曹』も鑑賞。こちらはレンタルです。

ヨークという、実在したアメリカ人(第一次世界大戦の英雄)の伝記映画として単純に楽しむ分にはとても良く出来た映画だと思います。が、やはりこの映画が作成された時期(1941年)を考えると手放しでは褒められない気も。

俗に言う、「国策映画」という一面を否定できないわけですよ。神(聖書の教え)を信じているのに、戦争で人を殺すことがなぜ可能か、ということで主人公ヨークは大いに悩むんですね、第一次世界大戦で徴兵された際に。つまり、「神の教え」をとるか、「愛国心」をとるかの選択になるわけです。そして、結局は・・・。もう大体想像通りの展開です。

個人的には、前述した通り、個人の伝記映画としては良い映画だと思います。ゲイリー・クーパーの純朴そうな魅力を最大限に活かしてて、感情移入しながら見ることが出来たし。けど、やっぱり映画に政治的要素が含まれるのは嫌なんですよ、私は。そういうことを考えなければ純粋に楽しめたんだろうけど・・・。

作品評価:★3 ※採点基準はこちら

投稿者 shaw : 23:42 | トラックバック

『赤ちゃん教育』

先日ここで触れたとおり、最近クラシック映画熱が再燃中で、特にハワード・ホークス監督作品(と黒澤映画)を中心に鑑賞をしてます。

で、この間amazonで注文した『赤ちゃん教育』という映画のDVDが手元に届いたので早速鑑賞。ホークス監督のスクリューボール・コメディで、主演ケーリー・グラントということで、ある程度『ヒズ・ガール・フライデー』と通ずるものがあるのかなとは思ってたのですが。

実際に観てみたらやっぱりテイストはほとんど同じでしたね。後に作られた『ヒズ・ガール・フライデー』のほうが、さらにテンポがよくなって、より洗練されたのかもしれませんが、私には『赤ちゃん教育』の方が楽しめたかも(『ヒズ・ガール・フライデー』はあまりの早口の応酬に、置いてきぼりをくらったという印象しか残っていない・・・)。ラストを含めて、なぜああいう展開になったかの動機がよくわからなかったんですが、それこそがホークス流だと私は思うw

作品評価:★4 ※採点基準はこちら

多分、キャプラやルビッチよりも好き嫌いのでそうな作風にも思いますが、はまる人にはぐっと来るんじゃなんですかね。

あ、あと、DVDのオマケに、キャスト・スタッフのフィルモグラフィーがほんとにオマケ程度に付いていて、その中のキャサリーン・ヘプバーンについての一言。
「24歳にしておばさんである」。
・・・。
それはあんまりでは。。笑っちゃったけど。

ヒズ・ガール・フライデー
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5 クエンティン・タランティーノのマシンガン・トークのルーツここにあり?
2 何度でも書くが、この会社のは画質が最悪です
5 警官殺しの死刑囚が逃げた?逃がした?
投稿者 shaw : 17:41 | トラックバック

『椿三十郎』

先週に引き続き、三船敏郎主演の黒澤映画の傑作、『椿三十郎』を借りて鑑賞。これが、『用心棒』にも勝るとも劣らずというやつで、面白いのなんのって。

作品評価:★5 ※採点基準はこちら

前作(『用心棒』ね)よりもユーモアの要素を前面に出した分、緊張感が減ったかなぁと思っていたら、ラストの決闘シーンがあまりにも見事な出来で、緊張感うんぬんという思いは消し飛びました。『用心棒』と『椿三十郎』、どちらも特徴があって微妙に好き嫌いの差がでるのかもしれませんが、私には甲乙つけられないなー。面白ければそれでよし、ということで。

久々に、同じ映画を1日のうちに2回観ちゃいましたよ。。

椿三十郎
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5 エンターテイメント!
5 前が桑ならこちらは椿
5 小品ながら傑作
投稿者 shaw : 01:01 | トラックバック

2004年11月28日

『ニュースの天才』

今日3本目の映画レビューは『ニュースの天才』。アメリカの有名誌「THE NEW REPUBLIC」で、当時名物記者だったスティーブン・グラスが行った記事捏造がテーマという、実際にあった話の映画化です。

いろいろ考えることの出来るテーマだと思います。影響力のある情報源からデマが流されるというのは非常に恐ろしいことなので。この映画で舞台になるのは、格式の高い(=「信用できる」と考えがち)とされるメディアで、ライターがネタを掴んでから記事になるまで、しっかりとしたチェックが入るのにも関わらず、数々の捏造記事が世に流れてしまったという「事実」が描かれてます。パンフレットを買って読んでみたら、過去にも数々の捏造記事が世間をにぎわせたことがあるようで、今日昨日に始まったことではないのでしょうけど、こうやって正面きって映画として観てみると、改めてメディアというものの脆さを考えたのでした。

おっと、話がそれた。
映画としての出来も、個人的には十分満足でしたよ。劇中、ヘイデン・クリステンセン演じる主人公が、「なぜ記事の捏造をしたのか」という動機部分にまったく触れられていなかったのがやや不満だったのですが、パンフレットによると監督が「本人が動機については真相がわかっていない」と述べていて、そこは観客の捕らえ方に任せる、とそういうスタンスではじめから臨んでいたようです。作り手によっては、それなりの結論を用意して、そこに収束されるようなドラマを描くという方法もとりそうですが、今回映画を撮ったビリー・レイという監督の主眼はそこになかったようで。なるほど。

作品のインパクトはそれほど大きくないし、人によっては中途半端な映画だと捉えるかもしれませんが、私は結構好きです、この作品。

作品評価:★4 ※採点基準はこちら

『用心棒』

黒澤明監督の代表作のひとつ、『用心棒』を鑑賞。いやー、さすが黒澤監督。これだけ面白い時代活劇映画、そうそうないんじゃないスか?わかりやすい登場人物達、シンプルな設定にストーリーと、映画の面白さをとことん濃縮した感じですか。娯楽としての面白さだけで評価するなら『七人の侍』よりも上ではないでしょーかね。

作品評価:★5 ※採点基準はこちら

三船敏郎の主人公っぷりは言うに及ばず、敵対する悪役達に端役達も、それぞれ見事なまでに個性的で、誰も彼もが見事の一言です。アクションシーンのキレの凄さといい、全編見せ場たっぷりであっという間の110分ってやつです。そして「あばよっ」の終わり方。もう非のつけどころが無い、という作品ですね。

えーと、ここまでエントリーを書きながら、どうやってこの映画の面白さを文章にしたらいいのかわからずに困ってますw
とりあえず、まだ未見の人は絶対に観とけー、としか言いようがないですね。必見!

用心棒
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5 娯楽活劇の原点
5 凄い時代劇です
5 理屈抜きで楽しもう!
投稿者 shaw : 22:59 | トラックバック

『レディ・イヴ』

先日レンタルしてきた『レディ・イヴ』という映画を鑑賞しました。これがとても面白い!

作品評価:★5 ※採点基準はこちら

なんといっても、バーバラ・スタンウィックの自由奔放な演技が素敵すぎます。楽しそうに演じている(というよりも、自然体のようにも見えるけど)のが伝わってきて、こちらまで楽しくなってくるというのは凄いことだと思いますねー。この女優さん、フランク・キャプラ、ハワード・ホークス、そしてビリー・ワイルダーと当時を代表する映画監督の元で、それぞれ違った魅力(方向性は似ているかな)を出していて、個人的にかなり強烈な印象のある人だったんですが、これほど笑顔が魅力的な人だとは知りませんでした。改めてファンになっちゃいました~♪

ストーリーも演出も素晴らしい出来だと思います。もっとはじけたスクリューボールコメディだと思っていたら、意外とまっとうな(?)ストーリーでしたが、(ラブ)コメディとしての完成度の高さは保障しますよ!やはり、この時代(30~40年代)の作品で、名作として名を残している作品にはハズレはすくないです。

あぁ、もっとこの監督の映画を観てみたいなぁ・・・。

投稿者 shaw : 09:24 | トラックバック

2004年11月01日

『コラテラル』

マイケル・マン監督の新作、『コラテラル』を鑑賞してきました。
観に行く前に私の耳に入ってきた評判、シナリオに関してはかなり厳し目だったのであらかじめその辺を割り引いての鑑賞だったのですが、それが良かったのか個人的にはかなり楽しめました。

作品評価:★4 ※採点基準はこちら

やはりシナリオに関しては穴が多い、というか突っ込む気になればキリがない展開だった気もするのですが、この映画の最大のポイントはもちろんそんなところではなくて、夜のロサンゼルス(でしたよね?)のデジタル映像の美しさと、それが醸し出すちょいとダーティーな雰囲気の中でのタクシー運転手(ジェイミー・フォックス)と殺し屋(トム・クルーズ)の掛け合いにあるわけです。妙に説教くさい殺し屋の描き方(撮り方)なんて、完全にマイケル・マン節全開な感じですよね。この監督は『インサイダー』といい『ヒート(未見だけど・・・)』といい、硬派な映画(映像)を撮らせたらハリウッドでもぴか一な存在だと思われ。

逆に、その雰囲気を堪能できないかぎり、この映画を観てもそれほど面白く感じないのではないでしょーかね。個人的には、映画はシナリオが面白くて初めて成り立つ、という気持ちがもっとも強いのですが、たまにはこういう雰囲気で面白さを堪能できる映画もいいですよね。

投稿者 shaw : 00:33 | トラックバック

2004年10月31日

『世界でいちばん不運で幸せな私』

世界でいちばん不運で幸せな私』を劇場鑑賞してきました。久々にシネスイッチ銀座に行ってきました。個人的にここは、恵比寿ガーデンシネマ、シネマライズ(は滅多に行かないけど)、シャンテシネに並んで、単館系でははずれ映画の少ない映画館の一つだと思っています。

さて、私は、「ヨーロッパで大ヒット」という触れ込みと、公式サイトの雰囲気のよさ(とトレーラーの出来のよさ)に惹かれてこの映画を観にいったわけですが、映画の出来に関しては私の期待を超える作品ではなかった、というのが正直な感想ですねー。

いや、面白くなかったとは思わないんですよ。むしろ、ラブコメディとしてはなかなか良く出来ていると思います。ストーリーは、たわいのないところから始まった二人だけのゲームのやりとりは楽しかったですし、ところどころホロリとしたり、それはやり過ぎだろとちょっといらいらしたりで、感情移入も十分できましたしね。演出も、あらは目立ちましたが、全体的には御伽噺的な雰囲気を上手くかもし出してたように思いました。それに、全体的にテンポも悪くない。個人的に、コメディ系映画に必要だと思っている面白さの要素はそれなりに満たしてました。

では、何が不満だったんでしょうかね。それが自分でもいまいちよくわからないのです。中途半端(に私は感じた)ラストのせいですかね。ところどころにみられた、ちょいと下品なやりとりでしょうか。ひょっとすると、期待感がちょっと大きすぎたのかもしれないですねぇ。私の中では『アメリ』と『ぼくセザール 10歳半 1m39cm』のおいしいどこ獲りというイメージが先行してたかもな、と劇場を後にしながらちょいと反省。。

家に帰ってから、Yahoo!Movieのユーザー批評を確認してみたら、案の定作品の評価が真っ二つに割れてました。まぁ、そういう映画、ということです。人によっては結構がっくりくるみたいですねー。個人的には消化不良というか、もう少し面白くできそうなお話だなぁ、と思いつつ、無難な★3つ評価ということで。

作品評価:★3 ※採点基準はこちら

投稿者 shaw : 23:53 | トラックバック

2004年09月20日

『スウィング・ガールズ』

先ほどレビューを書いた『インファナル・アフェア 無間序曲』を観る前に、実は『スウィング・ガールズ』も鑑賞していたのでした。なんだか、180度雰囲気の違う映画ですね。この組み合わせはどうなんでしょう?どうでもいいけど。

で、『スウィング・ガールズ』なのですが、これもなかなか面白かったです。軽いノリで明るくなれる(元気になれる)映画を観たい方には是非ともお薦めします。なんというか、出演している若い娘たちがとてもまぶしい映画です(←親父くさい表現だ・・・)。映画のラストを飾る、演奏会のシーンは、上手いのか下手なのかいまいちわからない演奏でしたが、熱意がジンジンと伝わってきて、私も熱くなってしまいました。こういう展開、お決まりとはいえ弱いんだよなぁ、俺。

作品評価:★4 ※採点基準はこちら

私なんかは、こういう映画の影響を受けやすいところがあって、映画を観終わった後はジャズもいいなぁーなんて思ったクチなんですが、今回はちょいと金欠気味なので、サントラは買いませんでした。楽器を弾くほうにはあまり興味はわかないけど、聴くほうはキライじゃないし、こういうのをきっかけに未開のジャンルを聞き始めるのは良いことだとは思うんですけどね。

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5 JAZZにはまる!
5 超→かっこE☆
5 アマチュアにしては上手すぎる。

『インファナル・アフェア 無間序曲』

久々に映画を劇場鑑賞してきました。そういえば、このBLOGでの映画レビューも随分間が空いちゃいましたねー。
で、観てきたのは『インファナル・アフェア 無間序曲』。個人的に、この秋期待の1本です。ちょうど1年前に公開された『インファナル・アフェア』の続編になるのですが、話の内容は前作からさかのぼること10年前、ラウとヤン、そしてウォン警部とサムの因縁が、どのように絡みつくのかをじっくりと見せるドラマになっています。

観た感想をまとめるとですね、先週金曜日のニッカンスポーツ紙の「週末シネマ」(今週はインファナル・アフェアが取り上げられていた)とほとんど同じになってしまうんですが、とりあえず私なりに。
・名作の続編なのに、かなり面白い。
・前作とのつながりがいたるところにあって、そこに矛盾点がない(少なくとも、私には矛盾点がみつからなかった)。
・当然、前作でいまいち意味のわからなかった伏線の一部が明らかになってます。
・若い主演の二人、どうみてもその後のトニー・レオン、アンディ・ラウには見えない(笑)のに、映画を観ているうちになんとなく似ているような錯覚にとらわれる(のは私だけか?)。ヤンの麻薬を吸ってブツの確認をしているシーンとか。
・ディテールでにやりとさせられる(オープニングで、エディソン・チャンが書類袋をパタパタ足に叩き付けているシーンで、いきなりにやりとしたのは私だけじゃないだろう)。
・前作のような、いつ正体がばれてしまうか、という緊張感はないけど、渦巻く陰謀とか各キャラクターが抱える葛藤等、人間ドラマの描写でしっかりと魅せるつくりに。
・前作に引き続き、アンソニー・ウォンとエリック・ツァンの演技が素晴らしいのは言うに及ばず、若き暗黒街のボス役のフランシス・ンという人がまた上手いんだ、これが。
・前作は、映像がシャープすぎるというか、良い意味で今風の映像が多く、正直少々マフィア映画という雰囲気に欠ける気がしていたのですが、今作はいかにも香港のマフィア映画という雰囲気をぷんぷんと醸し出していて、作品とみごとにマッチしてます。

個人的には、前作の出来が素晴らしすぎる(最後まで維持される緊張感がたまらんです)こともあって、さすがにそれを超える作品ではないと思いましたが、その前作をより面白くする映画として、とても完成度が高いと思います。とりあえず、前作を観た人は絶対観とけ~。逆に、『インファナル・アフェア』という映画を知らない人にはちょっと敷居が高いかもしれないけど、そういう人も、どうせなら前作とセットで鑑賞することを強く薦めます。

作品評価:★4 ※採点基準はこちら

投稿者 shaw : 18:19 | トラックバック

2004年08月23日

『シービスケット』をDVDで鑑賞する

今年年明け早々に日本公開された『シービスケット』がやっとDVD化されたので、早速購入して鑑賞しました。やっぱりいいです、名作です。私は大好きな映画です。

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5 この疾走感は出色
5 感謝で胸がいっぱいになる作品です
5 美しい

さて、私は比較的DVDをぽんぽん購入してしまうタチなのですが、購入をきめる際はあまりDVD特典というのは気にしない、というか購入しても特典はほとんど観ないので、個人的には特典を豪華にするよりは単価を安くして欲しいなぁなんて思うこともしばしばだったりします。で、今回の『シービスケット』ですが、この特典映像には珍しく興奮しました。

あれですよ、劇中の最大の盛り上がりを見せる、ウォーアドミラルとのマッチレースがあるじゃないですか。あのレースの本物の映像が拝めるんですよ。てっきりそんな映像は残っていない(ラジオ実況しか残っていないのかと・・・)と思っていたので、その完全オリジナル映像を見て改めて鳥肌がたってしまったのでした。そして、映画での再現があまりにも見事なことに、こちらも驚きました。ゲイリー・ロスはいい仕事をしましたね!

投稿者 shaw : 01:06 | トラックバック

2004年07月26日

『スチームボーイ』

先ほど「ユナイテッドシネマ としまえん」に行ってきたエントリーをしたわけですが、今日そこで観てきたのが『スチームボーイ』です。『AKIRA』で有名な大友克洋が長い時間と費用をかけて作った大作アドベンチャーアニメ(というジャンルでいいのかな?)です。

予告を見たかぎりでは、作品の出来に関する期待は半信半疑といったところだったのですが、実際に鑑賞してみたところではちょっと「疑」の方が強く出てたかなぁ・・・というところですか。

どうしても『AKIRA』との比較になってしまうと思うんですよね。作風は全然違うのですが。で、比べてしまうと、大友克洋ってこういう冒険アクションはあわないのかなぁ、と考えてしまうわけです。これは、『AKIRA』をはじめて読んだ時の、あのSF世界観に驚き戸惑った印象を今でも引きずっているからなのかもしれないですが。

多くの人が感じたんじゃないかな?と思うのは、登場キャラに感情移入が全然できない、という点じゃないですかね、やっぱり。主人公の少年もそうなんですが、あのお姫様が全然わからないです、正直言って。声優もいまいちしっくりこなかったなぁ、個人的には。

冒険活劇って、観ていてワクワクできるかどうか、が重要だと思うのですが、今回はそのワクワク感が全然なかったので、ちょっと評価も辛めです・・・。

作品評価:★2 ※採点基準はこちら

投稿者 shaw : 00:30 | トラックバック

2004年07月13日

『ワイルド・レンジ 最後の銃撃』

日曜日に、『ワイルド・レンジ 最後の銃撃』を観てきました。

かなり私のツボを抑えた良作でした。イーストウッドの『許されざる者』を最後に、ウエスタン映画は完全に廃れたように言われますが、この作品は古き良き西部劇のスタイルをしっかり踏襲していて(悪く言うと、どこかで観たことあるようなシーンの寄せ集めと言えなくもないけど)、まだまだこういう映画も撮ることができるんだなぁとうれしくなりました。

全体を振り返ってみると、終盤のシナリオがちょっと弱いかなぁ、という気もしますが、画がとてもきれいで、美しい西部という雰囲気を見事に表現してて、シナリオの良し悪しなんか気にならなくなります、多分。最近目立った活躍のなかったケヴィン・コスナーですが、久々に良い仕事をしたんじゃないですかね。『ダンス・ウィズ・ウルブズ』でも思いましたが、この人は本当にウエスタン映画というものに敬意を払っているんだなぁと思わせる、丁寧な作風はとても好感度が高いです。あまり注目浴びていない作品ですが(ファーストランがシネパトスだもんなぁ・・・)、それがちょっともったいないなぁと思うのでした。

作品評価:★4 ※採点基準はこちら

2004年06月25日

『スパイダーマン2』

一足先に『スパイダーマン2』を鑑賞しました。

一言、良かったです。前作の流れ・雰囲気を踏襲して、続編としてしっかり作りこんであるので、前作が面白かった人にはとても満足できるのではないでしょうか。制作費を大量につぎ込んだ(話によると220億円!?)大作映画ということで、いたるところでサービス旺盛、見終わった後はおなか一杯という感じでしたけど(良い意味でも悪い意味でも)。
そうですね、X-MENが意外に面白くて続きをみたX-MEN2も楽しめた、という感覚にとても似てますね。同じアメコミですし。

まぁ、前作をはじめてみた時の新鮮さ(というのかな?)はないかな、とも思いますが、アクション大作として観てもヒューマンドラマと捉えてもなかなか満足できる出来だと思うので、興味のあるかたはぜひ。

作品評価:★4 ※採点基準はこちら

投稿者 shaw : 01:42 | トラックバック

2004年06月16日

『SILMID -シルミド-』

シルミド』を鑑賞しました。

上記公式サイトを見るとわかりますが、闇に葬られた韓国の特殊部隊のお話です。実話らしいです。やはり、真実の重みって深いですね。そう思わずにいられない作品でした。『殺人の追憶』を観た後にも思ったのですが、自国の暗い過去をリアルに表現して、それが大ヒットする韓国映画の本気をひしひしと感じました。

作品評価:★4 ※採点基準はこちら

ただ、演技とバックミュージックがちょっとくどかったのが残念でした。これは個人的な嗜好の問題だとは思うのですが、私はもう少し淡々としたドキュメンタリー調の作風の方が好きですね。ノンフィクションとエンターテイメントの両立ということで、ハリウッドを意識した盛り上げ方をあえて取り入れたのかなぁ、と思いましたが、私にはそれがかえって興ざめ気味に。元の話が話なだけに、盛り上げようと作らなくても勝手に盛り上がったようにも思うんですよね。そこがちょっともったいなかったです。

けど、素晴らしい作品には違いないと思います。同じく韓国で大ヒットした、今週末公開の『ブラザーフッド』も楽しみです!

投稿者 shaw : 00:51

2004年06月13日

『24 シーズンII』

ついに手をつけてしまいました、『24 シーズンII』に。前作を最後まで観たときに今作の予告が入っていて、「LAに核爆弾が!」というなんとも大味なテーマになって、ちょいとやヴァいんじゃないの?と半信半疑だった私ですが、観始めてみると前作とノリはそれほど変わらず、みてていらいらする人物(?)が減っている分より面白くなっているような気も。

はじめの1時間はおとなしめの導入でしたが、ジャック・バウアーが動き出すと話全体も躍動してきますね、やっぱり。で、気が付けば見るのを中断すること出来ずに、手元にあったvol2まで一気に観てしまったのでした。続きは会社にあるので、出社したらまた借りてこようっと。そうやって少しずつ寝不足が深刻になっていくんですよねぇ・・・。

投稿者 shaw : 00:37 | トラックバック

2004年06月07日

『21グラム』

21グラム』を観てきました。
人間、死ぬと21グラムほど軽くなるそうで、その軽くなる21グラムと人生の重さを秤に掛けるという意図があってのタイトルなのかどうか、実際に作品を観てみるとわかるかなぁと思ったのですが・・・。

もう、ひたすら重たいです、この作品。とても21グラム程度の秤にはかけられません。どう評価していいのかわからない映画なんですが、命の重みを考える、というテーマにあう映画にはいまいち思えなかったです。

作品評価:★3 ※採点基準はこちら

主演の3人の演技はとにかく圧倒的です。圧倒的がゆえに、映画の雰囲気をより一層重く暗いものにしているような気もしますが。。個人的にはナオミ・ワッツの演技力に特にしびれました。演技合戦を見るのが好きでたまらない、という人には見ごたえ十分だと思います。

ただ、正直なぜこの作品が拡大公開なんだろう・・・、と思ったのも事実だったり。そんなに客の入る映画じゃないと思うんだけど。。

投稿者 shaw : 01:31 | トラックバック

『デイ・アフター・トゥモロー』

公開初日に観てきました、『デイ・アフター・トゥモロー』。
直前まで、所詮作り物の災害映画だろうとたかをくくっていて、あまり期待していなかったのですが、それが良かったのか、迫力満点の映像の数々に思いがけず興奮しまくりで、私の予想をはるかに超えた出来のよい作品でした。

作品評価:★4 ※採点基準はこちら

とにかくVFXが凄いです。あまりこのジャンルの映画を観ないので比較論はできないですが、とりあえずだまされたと思って大きなスクリーンで一度見てみることを是非とも薦めます。公開前に大量にテレビスポットが投入されたはずなので、それをご覧になったかたも多いかもしれませんが、より大きなスクリーンでみるとその迫力が全然違いと思いますよ。雹からはじまって、竜巻、大津波、氷河期の到来と何でもありですが、その一つ一つの映像に、私は口を開けたまま魅入ってました。

ストーリーも、父と子の絆を軸に、少々いらないかなと思う部分はあっても、くど過ぎず弱すぎずで、決して映画の足かせになっていなかったと思います。全地球規模の大災害を前にして人間は無力でありながらも、後味の悪い終わり方でもないですし。

まぁ、こういう映画を撮れるだけの懐の深さがあるのなら、もっとアメリカでも環境問題の取り組みをしっかりしてくれよな、とも思ったりするんですけどね。

2004年05月10日

『グッバイ、レーニン!』

今日はもう一本、『グッバイ、レーニン!』も鑑賞してきました。

とても良く出来た作品ですが、評判の良さほどには感じませんでした。感想がまだまとまっていないので、とりあえず★だけつけておきます。

作品評価:★3 ※採点基準はこちら

投稿者 shaw : 00:32 | トラックバック

『ドラムライン』

ドラムライン』を、シネクイントにて鑑賞してきました。
マーチング・バンドのド迫力に圧倒されっぱなしの2時間で、大変満足の出来でした。アメリカという国は、こういうショーの魅せ方が本当に上手いですね。

ストーリー的は、才能あふれる主人公が、その才能ゆえにチームと軋轢が生じて挫折を味わい、そこから人間として成長していく、という王道を行くもので特に目新しさはないです。ただ、その舞台をマーチング・バンドという日本人にはあまりなじみがないものにしたことで、観ているこちらのアドレナミンは分泌しまくりです。ドラムのような、打楽器の音の持つ不思議さですね、これは。で、ソロの演奏もすごいんですが、やっぱり集団(ドラムライン)での演奏が圧巻です。これ、必見だと思いますよ、ほんと。以前『チアーズ』という映画を観たときにも思ったことですが、集団で見せるパフォーマンスの数々が、こちらの想像をはるかに超えていて感動すら覚えます。

アメリカでは、アメフトのような人気スポーツのハーフタイムに、このようなマーチング・バンドの演奏があるようですが、私も一度でいいから生演奏を観てみたいと思いました。もう、応援の域を超えてますからねー。

作品評価:★4 ※採点基準はこちら

投稿者 shaw : 00:10 | トラックバック

2004年05月04日

『ほえる犬は噛まない』

cover今日3本目は、レンタルで『ほえる犬は噛まない』を鑑賞。

犬の行方不明、というなんとも日常的な事件をちょっとシュールな演出でまとめあげた作品です。何が凄いかって、特に山場があるわけじゃないのに、2時間弱を最後までしっかりと魅せる演出自体が出色だと思います。この手の作品、家で観ると大抵は間延びしちゃって、だらだらと観てしまい大して印象に残らずに終わるのですが、この作品は不思議と最後までしっかりと見届けてしまいました。
正直、そんなに映画として面白い要素は無いように思うのですが、ついつい惹きつけられてしまいました。いや、ほんと不思議な作品ですねー。

作品評価:★3 ※採点基準はこちら

以下、簡単なあらすじ。
主人公の一人、ユンジュは教授になかなかなれずイラついていたところ、近所でうるさく吠える犬に痺れを切らしてアパートの地下室に閉じ込めてしまう。もう一人の主人公ヒョンナムは、犬を探して欲しいと頼まれ、町中に張り紙をしながら犬の探索を手伝う。ある日、ヒョンナムはアパートの屋上に不審人物を発見、そこでの衝撃の行動を見て、その人物を追うのだが・・・。

↑のあらすじじゃなんのことだかわからないと思うので、ここを読んだほうが手っ取り早いかな。少しでも興味のある方はご覧になるとよいかと。

投稿者 shaw : 01:47 | トラックバック

『アップルシード』

今日はもう一本、劇場で映画鑑賞。『アップルシード』です。

予告編を観て、「このCGアニメーション、凄いな!」と思って結構気になっていたのですが、予告だけじゃなくて本編も全編にわたってクオリティの高いアニメーションが繰り広げられていて、私には驚嘆の出来でした。あまりアニメ映画に見慣れていないからそう思ったのかもしれないですが。

ストーリーに関しては、原作を読んでいないので詳しくありませんが、人間とバイオロイドの共存という、なんとも士郎正宗らしいテーマの原作をモチーフに、話を破綻させることなく上手くまとめられていて、最後まで楽しませてもらいました。決して、CGアニメだけが話題になるような作品じゃないと思います。一度観てみて、損はしない作品だと思いました。

作品評価:★4 ※採点基準はこちら

私が観た回の客入りが随分少なかったのがちょっと気になるところです。はやくも続編の製作が決まったとのことなんですが、客は入っているんでしょうかねぇ。。

投稿者 shaw : 01:20 | トラックバック

『スクール・オブ・ロック』

今日は久々に映画三昧で過ごしました。3本観てどれも面白かったので、かなりの充実感がありますね。

さて、一本目は劇場で『スクール・オブ・ロック』。前評判が異様に高い作品で、私もかなり期待していたのですが、ここまで満足度の高い作品とは思ってませんでした!いやぁ、本当に面白いです、この映画。もう一回観にいってもいいかな、と思うくらいです。

評判どおり、ジャック・ブラックがなにより素晴らしいです。あのはじけぶりといい、ライブで見せるパフォーマンスとか、地をいく体当たり演技(いや、あれは演技じゃない?)で、とことん魅せてくれます。脚本家がジャック・ブラックを思い描いて脚本書いた、というのも非常に納得です。で、子役も憎たらしいくらい作品を理解していて、ジャック・ブラックと一緒に作品を盛り上げていきます。
私、恥ずかしながらラストのライブバトルで涙流しちゃいましたからねぇ。ストーリー自体目新しいものじゃないかもしれませんが、それでも面白いものは面白いのです。もともとこのジャンルに弱いということもあるのですが、傑作と言ってしまっていいんじゃないですかね。

作品評価:★5 ※採点基準はこちら

私は洋楽を普段全然聴かないし、ロックにもこだわりがあるわけじゃないですが、そんな私でもここまで楽しめたんで、少しでもロックの教養がある人だったらもっと感情移入できるんじゃないでしょーか。個人的には非常にお奨めの一作ですね。

2004年05月03日

『KILL BILL vol.1』

まだ『KILL BILL vol.1』を観ていなかった(観る気にならなかった)のですが、先日職場の先輩からDVDをお借りしたので、せっかくなので鑑賞してみました。

う~ん、思ったとおりというか、やっぱり私に合う映画じゃありませんでした。何が面白いのかさっぱりわからない。いや、わかるんだけど、私には面白く感じないというか。とんでも日本描写は特に笑えるようなものじゃなかったし、血生臭い立ち回りにしても緊張感はないし、娯楽演出としてとらえてもしっくりこないしで、私のツボには全然はまりませんでした。。

タランティーノ流の日本映画へのリスペクトが含まれているらしいですが、そのリスペクト対象の日本映画を全然観てないし、そもそもタランティーノの作品自体そんなに好きじゃないので、こればかりは仕方ないのかな、とも思いました。好きな人にはたまらない作品なんでしょうけどねー。

まぁ、そんなわけで、作品評価も低めです。
作品評価:★2 ※採点基準はこちら

投稿者 shaw : 11:24 | トラックバック

2004年04月24日

『ビッグ・フィッシュ』

ついにこのブログも、エントリー数が300になりました。
熱しやすいけど冷めやすくもある自分の性格を考えると、ここまで続いているのがちょっと嘘のようです。

さて、記念すべき(?)300個めの話題は、これまで何度か触れた『ビッグ・フィッシュ』という映画。公開初日は5月15日なのですが、昨日仕事のお手伝いで『ビッグ・フィッシュ』の試写に立ち会ってきて、一足先に 作品を観ることができました。

で、作品を観た感想なのですが、いかにもティム・バートンらしいファンタジー演出がこぎみ良い映画で面白かったです。この作品は、いろいろな監督候補があがった末にティム・バートンの手に渡ってきたらしいですが、間違いなくこの作品にとってとても良い選択だった思います。ただ、私自身、想像力が貧困な人間なので、そのティム・バートンらしいほら話のパートがちょっと退屈な場面もありましたが、感受性の強い人にはたまらない演出に感じると思いますね。この辺りで評価はわかれてくるんじゃないでしょうか。

前半はちょっと退屈に思っても、最後はしっかりと盛り上がります。私もラストでぐずってしまいました。なんというか、現実世界でのヒューマンドラマ演出と空想世界のファンタジー演出の融合が見事の一言なんですよね。
個人的には、ちょっと長いかな、とも思いましたが、キャスティングもとても良いし、秀作であることにはかわりは無いと思います。

作品評価:★4 ※採点基準はこちら

2004年04月18日

『ジャッカルの日』

フレッド・ジンネマン監督作の『ジャッカルの日』を鑑賞しました。

1960年代のフランスを舞台にした、ドゴール大統領暗殺計画を映画化したものです。
噂どおり、派手な演出は全然なく、淡々とドキュメンター調でストーリーが進むのですが、これが演出として抜群の臨場感を出していて、非常に好感度の高い作品でした。派手な演出がない分、本当にこういう事件があったのかと錯覚させるリアリティがあるんですよねー。歴史として刻まれることなく消え去った事件、みたいな。

本当に淡々と話が進行するので、はじめの方の展開が少々退屈でしたが、ジャッカルが動き出し、それをフランス警察が追い始めると俄然面白くなります。追う側と終われる側の距離の縮まり方が絶妙なんですよね。ついつい追われる側に肩入れしてしまうのが不思議です。最後の最後まで「動」より「静」に重きを置いた演出を徹底しているので、人によっては少々あっけなく感じるかもしれませんが、私はかなりハラハラしました。

けど、こういう作風の映画、今作ってもヒットしないんだろうなぁ。。

作品評価:★4 ※採点基準はこちら

投稿者 shaw : 21:31 | トラックバック

2004年04月06日

『攻殻機動隊』をDVDで鑑賞する

職場にいつのまにか『攻殻機動隊』のDVDがあったので、週末に借りてきて鑑賞したんですが、このアニメ本当に凄いですね!
って、今更改めて言うな、という事なんですが。

私が浪人生だった頃に、一部で凄い凄い言われていたこの映画の原作を読んで、なんだか確かに凄そうだけどよーわからんと思い、その後大学生の時に友人からビデオを貸してもらって鑑賞してもあまり印象に残っていなかったのですが、なぜか改めて鑑賞してみると身震いしてしまうくらいの出来の素晴らしさに驚嘆したのでした。

なんというか、あの難しい原作の雰囲気を損なうことなく、もっと日常的(でもない?)な風景をアニメで描きながらも、ストーリーは無駄をいっさいの排除してかつ原作に忠実に、という奇跡的な演出をしています。わけのわからない日本語ですね。
確かにオタク臭が漂う世界観だし、登場する人物やメカ、光学迷彩の表現とかのかっこよさも、この道のマニアが徹底的にこだわって作り出した産物なんでしょうけど、以前見た時よりもそれに惹かれるようになったのは、私もそれだけオタク的感性を身に付けた、ということなんでしょうかね。ここ数年、アニメをまともにみていないんですけどねー。

そんなこんなで、これまで全然興味のなかった『イノセンス』にやっと興味が湧いてきたところです。今、アイマックスで観ることができるようなので、ちょっと気になってます。まだアイマックスで映画をみたことないんですよね、私。

2004年04月04日

『殺人の追憶』

久々に映画館に足を運びました。ここのところ、映画を観る余裕のない日々が続いていたから。。

さて、観たのは『殺人の追憶』。韓国で1980年代末~90年初期にかけて、実際に会った殺人事件をモチーフにした韓国映画です。前評判が非常によかったので、何気に期待していた作品の一本でしたが、かなり面白い作品でした。満足。

作品評価:★4 ※採点基準はこちら

連続する女性猟奇殺人犯を追う刑事の視線でストーリーは進行するのですが、犯人を追うサスペンス映画という面のほかに、当時の韓国の時代背景も実は詳細に描かれていて、いろいろ興味深い映画だと思います。ところどころちょっと中だるみしている部分も感じますが、全体としては緊張感のある、かなりの良作ですね。
韓国では相当有名な事件だったらしく、ことの顛末は大体の人が知っているという前提の映画らしいですが、それでもラストの盛り上がりはすごいの一言です。「いったいどっちなんだ!」というやつですね。その辺りは、実際に観て感じ取ってもらいたいところです。

2004年03月15日

『生きる』

黒澤明監督の名作の1本、『生きる』を観ました。

タイトル通り、「生きる」とは何なのか、ものすごく考えさせられる作品でした。自分の死期を悟った主人公が「生」と向き合うというテーマは、映画のみならずドラマや漫画、小説、エッセイなどでも使われているし、国内、国外を問わずいろんなところで目にすると思います。しかし、この映画ほど重みのある(映画としての完成度も非常に高い)描かれ方はそうそうないんじゃないでしょうか?とにかくズシリときました。

映画の構成が、公園を作ることを決心するまでの「生きていない」主人公を描く前半パートと、主人公の死後、「生きている」主人公を役場の同僚や身内が振りかえる後半パートに分かれていて、この構成の転換のしかたがまた上手いんですよね。テーマだけじゃなく、映画としてありかたも、さすが世界のクロサワと思わせる凄みがある作品でした。

今週、もう一本小津安二郎の『東京物語』も見たんですが、家族のつながりというものをもっと大切にしなきゃなぁ、とつくづく考えさせられました。今の自分は、あまりにも自己中な人生を送っているよなぁと、猛省中・・・。

作品評価:★5 ※採点基準はこちら

2004年03月07日

『大脱走』

今日、『大脱走』のニュープリント版を観てきました。

もう何度も観ている映画なんですが、やっぱり大きなスクリーンで観ることができるというのは映画冥利に尽きると思います。目新しさを感じなくなっても、傑作は傑作。評価は変わらず、3時間弱を最後まで楽しく拝見させていただきました。

作品評価:★5 ※採点基準はこちら

2004年03月01日

『マスター・アンド・コマンダー』

昨日、携帯の機種変更の手続き処理の間にちょうど映画を一本見れそうな空き時間が出来たので、日本で公開されたばかりの『マスター・アンド・コマンダー』を鑑賞してきました。

オスカーでも堂々の9部門ノミネートと、なかなか評価されている本作品ですが、以前劇場で予告を見たときにはいまいち面白そうに見えなくて、私の中では半信半疑な作品であったことも確かです。
とはいえ、スケールの大きな海洋アクション&アドベンチャーで、ラッセル・クロウ主演の最近の映画にはずれが少ない(個人的に、ラッセル・クロウは好きになれないんですけどね)という事実もあって、結構期待していたのですが・・・。

結論から言って、全然面白くありませんでした。ちょっとショックなくらい。描写の一つ一つは、それなりに時代検証をしてリアルだったんだろうと思うし、見せ場のシーンもいろいろあるんですが、何と言うか緊張感が全然ないゆるい展開が続くので、見ていてワクワクできませんた。

作品評価:★2 ※採点基準はこちら

投稿者 shaw : 00:50 | トラックバック

2004年02月29日

『ジョゼと虎と魚たち』

昨日、今更ながら『ジョゼと虎と魚たち』を観てきました。笑いあり、涙あり、そしていろいろと考えさせられる部分も多い、非常に良くできた作品でした。

作品評価:(限りなく★5にちかい)★4 ※採点基準はこちら

とにかく、主演の二人が良かった。普段TVを全く見ない私にとって、妻夫木を見るのは『ウォーターボーイズ』以来だったりするのですが、こんなに良い俳優だったイメージがなかったのでたまげました、ほんと。池脇千鶴にいたっては、役になりきっていて文句のつけようないし。それに、脇を固める俳優さんも隙がないしで、非常に見ごたえがありました。

私は、屈折しているようで純朴でもある恋愛感情の成り行きと、あのラストに激しく感動してしまいました。そして妻夫木が最後にみせる感情に激しく動揺し、丸一日たった今も余韻を引きずっていたりします。もっと早くに観ておくんだった。。

投稿者 shaw : 20:36 | トラックバック

2004年02月09日

『25時』

先ほどのエントリー「レベルX」の会場を後して、その足で『25時』を見てきました。前評判が良かったのでちょっぴり期待していたのですが、やはりアメリカのことは日本人にはいまいち理解しきれないというか、妙に説教くさいところがあって、私にはいまいちでした。
いい映画だとは思うのですが、個人的には・・・という作品ですね。とがった映画が好きな人だったら感想は全然変わってくると思います。そうですね、好き嫌いの差は結構でると思いました。

作品評価:★3 ※採点基準はこちら

以下、簡単なあらすじ。
ヤクの売買で生計を立てていたモンティ(エドワード・ノートン)は、誰かのタレこみによって刑務所で7年間過ごすことに。入所する前日、恋人や父親、友人たちと一緒に最後の24時間(25時間)を過ごしながら、自分の行ってきたことに後悔し、そして刑務所暮らしにやりきれない思いを抱えるのだった・・・。

2004年02月08日

『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』

今日、ついに先行公開という形で公開が始まった『LOTR 王の帰還』を、私も早速鑑賞してきました。三部作の完結編ということだけあって、圧倒的なスケールで物語を魅せてくれて、あっという間の3時間半でした(少なくとも私は長いと感じなかった)。ピーター・ジャクソン監督が、「三作目が一番好き」と言っている通り、完成度はシリーズで最も高いと思いました。

作品評価:★4 ※採点基準はこちら

見所はいっぱいあって、ここでそれを説明する意味もあまりないので端折りますが、フロド&サムの指輪捨てコンビと、その他大勢の戦争部隊とでそれぞれ、葛藤したり対立したり派手に戦ったりで、見ごたえ十分です。なんといっても、終わり方がいいです(サルマンの出番がカットされたのが個人的にはちょっと残念でしたが)。

しかし、一番脳裏に焼きついたシーンが、大迫力の戦争シーンでも、某キャラが倒れるところでも、滅びの山のシーンでも、そして幻想的なラストシーンでもなく、「目を開けて眠るガンダルフ」というのはいかがかと(って、私の問題ですが)。隣に座っていた見ず知らずの女性の方が、あのガンダルフがよほど強烈だったのか、その後しばらくガンダルフがアップになるたびにクスリと笑っていて、それが一番印象に残りました(オイ)。

投稿者 shaw : 01:41 | トラックバック

2004年02月01日

『リクルート』

今日はファーストデイサービスの日ということで、何でもいいから最低一本は劇場鑑賞しなければ!という訳のわからない義務感(?)に襲われました。せっかく1000円で鑑賞できるんで、逃すともったいないでしょ。で、候補作はいろいろあったんですが、何故か全然観る気のなかった『リクルート』なぞを観てしまいました。

全然期待していなかったんですが、観始めてみると意外と面白くて、なかなかの掘り出しものだったかもしれませんね。ストーリーに目新しさは感じませんでしたが、CIAという設定を上手く生かした序盤の訓練シーンと、アル・パチーノのコリン・ファレルのやりとりは結構見ごたえありでした。ラストのオチがちょっと弱い感じで、その分あとになって何かの残る作品という感じじゃないのがちょっともったいないですが。アル・パチーノやコリン・ファレルのファンだったら観て損はないでしょう。

作品評価:★3 ※採点基準はこちら

以下、簡単なあらすじを。
CIAのリクルーター、バーグ(アル・パチーノ)に見込まれたエリート学生ジェイムズ(コリン・ファレル)は、行方不明になった父親の手がかりを探す目的もあってCIAに就職。そこで新人として訓練を積んでいくのだが、その過程で様々な罠や陰謀が渦巻き・・・。
前半の訓練中の過程がなかなか面白かったんですが、最後うまくまとめきれなかったのが残念でしたねぇ。。

投稿者 shaw : 19:34 | トラックバック

2004年01月25日

『シービスケット』

観てきました、『シービスケット』。もう、私のツボのど真ん中直撃、といった感じで涙が全然止まりませんでした(本当に)。予告を見ただけで結構グッとくるものがあったのでヤバイだろうとは覚悟してましたが、予想以上にググっときてしまいました。いやぁ、いい映画だと思います、私は。

観終わってから冷静に振り返ると、サクセスストーリーとか挫折の描き方とかの見せ方がちょっと弱いかなぁという気がしたんですが、そんなことは実はどうでもよくて、もうこれでもかという臨場感あふれるレースシーンと、魅力的な馬たちの描写が全てなんです!この映画は!!
日本ではありえない(だろう)本当のマッチレースまで見せ付けられたら、競馬ファンならしびれるしかないでしょう。原作はまだ読んでいないんですが(いずれ読もう。)、このような話を本気で映画化しようと思ってしまったスタッフを心から称えたいですね。

作品評価:★5 ※採点基準はこちら

一応、簡単なあらすじ。
家族を失ったオーナー、負け犬ジョッキー、無口だが誰よりも馬を知るトレーナー、そして小柄で曲がった足を持つシービスケット。彼らが結びついたとき、誰もが考えもしなかった、奇跡のシンデレラストーリーの道が開けるのだった。そして。。
映画は多少の脚色があると思いますが、全て実在の人物を描いた実話を元にした作品です。俺、実話もの(でサクセスストーリー)にすごく弱いんだよなぁ。

投稿者 shaw : 17:15 | トラックバック

2004年01月20日

『息子のまなざし』

日曜日に、元旦に見損ねた『息子のまなざし』を観てきました。

個人的にはあまり好きな映画じゃなかったです。
いい映画と評価されるのもわからないでもないですが。万人受けする映画じゃないでしょう。
あと、ユーロスペースとの相性があまり良くないかもなぁ。

作品評価:★3 ※採点基準はこちら

あらすじ:職業訓練校の木工クラスを教える主人公の下に、一人の生徒が現れる。その生徒は実は主人公と浅からぬ因縁があって・・・。という話。これだけだと安っぽいメロドラマっぽいですが、ドキュメンタリーチックな作風がドラマという印象をまったく与えず、えもいえない不思議な感じです。ごくありふれた日常を舞台に、主人公の葛藤が身近に感じられて、そこをどう思うかで観る人の評価はわかれそう。

投稿者 shaw : 01:20 | トラックバック

2004年01月10日

『ミスティック・リバー』いよいよ公開!

久々に、公開初日の初回で観てきました、『ミスティック・リバー』。この「初日の初回」というのは、先行公開しなかった場合の、私の中での最大限の期待の証です。

で、感想なんですが、もう面白かったとかそういうレベルじゃなくて、傑作とはこの作品のためにある言葉では、と思うくらいの出来でした。私の程度の低い語彙力じゃ、上手くほめることすらできない。。

去年のBESTムービーは『インファナル・アフェア』だと思ってますが、作品を見終わった後の余韻の大きさは勝るとも劣らず、といった感じです。鑑賞後の感想も結構似ている気がします。ただ、『インファナル・アフェア』の場合の余韻は、初めて『レオン』を観た時に感じた「感情移入の大きさ」が大きな原因だったと思うのですが、『ミスティック・リバー』のそれは、一歩引いた視線で見ているにもかかわらずこちらまで葛藤が伝わってくるあたりに大きな違いがありそうです。

地味で重ためのストーリーは、人によっては受けつかないかもしれませんが(少なくとも一般受けする映画ではないでしょう)、「人間ドラマ」というジャンルが嫌いじゃなければ必見の作品だと思います。

作品評価:★5 ※採点基準はこちら

投稿者 shaw : 15:16 | トラックバック

2004年01月04日

『博士の異常な愛情』

cover映画をそこそこ観てきた人だったら、キューブリック監督の映画もそれなりに観ているのが普通かなぁと思いますよね(って私だけか?)。で、キューブリックの映画で人気投票をするとしたら、おそらく『2001年宇宙の旅』、『時計仕掛けのオレンジ』、『シャイニング』、そして『博士の異常な愛情』あたりが上位を占めるのでは、と私は思うのですが、実はこの4本を私はどれも観たことがなくて、この正月休みを使って少し観てみようと思ったわけでした。

録画されたまま積み重なったビデオテープの中に、『突撃』と『博士の異常な愛情』があったので、早速鑑賞しましたが、両作品ともリアリティの高さと、映画自体の完成度の高さが素晴らしいです。特に『博士の異常な愛情』にはクラクラしてしまいました。
今では米ソの冷戦が過去のものになって、東西のにらみ合いという状況から、大国対テロという構図になってしまいましたが、今でも核による人類壊滅の可能性が無くなったわけじゃ全然なくて、ひょっとしたら映画と同じような現実が起こりうるわけですよね。まぁ、爆撃機の出動の必要は無くて、大陸間弾道ミサイルの発射ボタンを押すだけでことが足りる分、なおさらタチが悪いとも思いますが。ラストシーンを見ながら複雑な心境になりました。。
鑑賞中はそこまで深く考えず、ブラックユーモアとして笑っちゃいましたけどね、私は。

作品評価
『突撃』:★4
『博士の異常な愛情』:★5 ※採点基準はこちら

投稿者 shaw : 17:27 | トラックバック

2004年01月01日

『深夜の告白』

今年のレビュー第一号は『深夜の告白』。ビリー・ワイルダー監督の初期の作品です。
ビリー・ワイルダーの作品はいろいろ観てきた私ですが、この映画の完成度の高さは他の傑作と比較しても遜色ないと思います。各方面で評判の良い作品だったので、前々から観てみたいと思っていた作品でしたが、その価値大有りだと思います。

どういう話かというと、↑のリンクを辿ってもらうのが一番良いかとも思いますが、一言でいうなら「保険金詐欺」の話です。なんだか火曜サスペンス劇場(だっけ?)とかで扱われそうな、使い古された感のあるテーマですが、なにせ映画自体60年前の作品。おそらく当時ではまだまだ珍しい部類だったかと。そして何といっても名匠ビリー・ワイルダーが手がけているだけあって、ぜんぜん安っぽい映画じゃないです。意外性はないですが、隙のないストーリー展開に、私はおもわず唸ってしまいました(声にはだしてないけど)。年明け早々、いい作品に出会えた♪

作品評価:★4 ※採点基準はこちら

投稿者 shaw : 23:15 | トラックバック

2003年12月31日

2003年 BEST MOVIE!!

年の瀬を迎えて、やはりこのエントリーは欠かせないでしょう。
ということで、今年鑑賞した「新作」映画のBEST10をあげてみたいと思います。

1位:『インファナル・アフェア』
2位:『ボーリング・フォー・コロンバイン』
3位:『シティ・オブ・ゴッド』
4位:『HERO』
5位:『猟奇的な彼女』
6位:『ロスト・イン・ラ・マンチャ』
7位:『スコルピオンの恋まじない』
8位:『イン・ディス・ワールド』
9位:『北京ヴァイオリン』
10位:『茄子 アンダルシアの夏』

とまぁ、こんな感じです。
大作映画が全然入っていないですが、これは観ていないわけじゃなくて、そこそこ楽しめたけれども突き抜けて面白かったという映画があまりなかったことが原因だと思います。

こうやって今年観た映画を振り返ってみると、去年ほど見終わった後に凄い衝撃を受けた映画がなかったなぁ、という感じですね。

投稿者 shaw : 18:28 | トラックバック

2003年12月30日

『24』 ~vol.12

ついに、『24』のファーストシーズンをすべて見ました。長かった。。

最後までどんでん返しが続いて、見ていて飽きさせないつくりはさすがだな、と思いました。
かなりのボリューム(1話が約40分なので、トータルで16時間!)なので、見始めるにはちょっと気合が必要ですが、その価値はあるんでないでしょうか。正月休みに暇をもて余し気味の方はどうぞ。

私はもうおなかいっぱいですが、本国ではサードシーズンまですすんでいるらしく。
vol.12のおまけに、セカンドシーズンの予告が入ってましたが、なんだかもっと大変な事態が起こるようですね。主人公ジャック・バウアーにしてみても、「人生でもっとも長い一日」がこうも立て続けに起こるとやってられないですよねー。

投稿者 shaw : 22:50 | トラックバック

2003年12月14日

『24』 ~vol.5

以前一度24が面白い!と書いたきりで、なかなか続きを見る余裕がなかったんですが、今日起きてからvol.3をちょっと観てみたら気が付けばこんな時間になってました。
vol.3から連続で6話分、6時間ぶっ通しで見た計算になりますね(途中、競馬実況をみたけど)。ついに午前11時まで話が進みました。

午前8時くらいでひとつ大きな山を迎えて、正直このテンションがあと16時間も続くのかなぁ、と思ったのですが、大統領暗殺のためにうごめく集団の背後がちょっと見えてきて、このまま主人公たちは13時間以上眠らずにがんばるんだろうなぁ、などとちょっと気の毒に思ったり(かなり他人事)。だって、もう主人公のジャック・バウアーの顔、今の時点でかなりやばいし。無茶し過ぎだし。

相変わらず、続きが気になってたまらない状況が続くのですが、今手元にはvol.5までしかないので、今日は打ち止め。年を越すまでには最後まで見てすっきりしたい。

投稿者 shaw : 16:55 | トラックバック

2003年12月06日

『ラスト・サムライ』

いよいよ正月映画のシーズンが始まって、今日は前評判の高い『ラスト・サムライ』と『ファインディング・ニモ』が公開です。

それにしても『ラスト・サムライ』、評判いいですね。先日スポーツ紙で「渡辺謙、アカデミー賞も」と大きくでてましたが、これはまんざらでもなさそうです。

私も二週間前に、先々行公開されていたので観てきました。なかなか感想がまとまらずに今日まで来てしまいましたが、以下簡単な感想です。

2003年11月24日

『NARC ナーク』

cover今回の3連休は、これまでに観ようと思いつつ逃してきた作品にスポットを当てようと思い、まず最初に観た映画が『NARC ナーク』です。この作品、ご存知でしょうか?今年の春に劇場公開され私も観に行こうと思っていたのですが、あまりにも地味で(宣伝もあまりされなかったのではないでしょうか)私も後回しにしているうちに公開が終わってしまいました。

監督がジョー・カーナハン(長編2作目)、主演がジェイソン・パトリックにレイ・リオッタと、かなり渋いキャスティングで、ストーリーも『フレンチ・コネクション』や『セルピコ』のようなテイストの骨太な刑事ドラマらしく、個人的には今更感のあるジャンルだったのですが、作品自体の風評はすこぶる良くて、それなら見ておかないと損かな、と。

一言を感想をいうと「面白かった」です。映画開始早々、手持ちカメラでの画面グラグラの追走劇から始まって、テクニックに走った作品だったらいやだなぁと、いきなりマイナスな印象を持ってしまったのですが(ところどころで、個人的には必要性を感じない小手先な撮影シーンがあったような)、中盤あたりでの登場人物達の葛藤の演出や、終盤での盛り上げ方は大変上手くて、私もぐいぐいストーリーに引き込まれました。これは監督の力量が素晴らしいのか、俳優の熱演の賜物か、地味な話なのに(だからこそ?)良く出来た作品に仕上がっていると思いました。

決して大作ではないし、一般の映画ファンが興味を持つような映画でもないかもしれませんが、たまにはこういう映画を観てみて、意外なところに眠っている佳作を見つける楽しみに酔いしれるのもいいのではないでしょうか(笑)

作品評価:★4 ※採点基準はこちら

投稿者 shaw : 00:14 | トラックバック

2003年11月18日

『24』 vol.1

毎週ファミ通で連載されている伊集院光のコラム、面白いのでいつも欠かさずに読んでいるのですが、今週号ではアメリカのTVシリーズで話題騒然の『24』が取り上げられていました。

この『24』というTVシリーズ、ある1日(24時間)の出来事を、一話を1時間ごとに分割して「ほぼリアルタイムに」全24話でストーリーをすすめるという、かなり画期的なことをやっていて、一度見始めたら続きが気になってやめられなくなる、と伊集院氏は語っていました(氏は丸一日で全話を見たそうです)。

まぁ、『24』が面白いらしいという話は、かなり前から聞いていて、機会があったら見てみようとは思っていたのですが、まだレンタルでも全巻リリースされていないので、正月休みにまとめて見るのもいいかなぁと思っていました。が、先週職場にDVDの第一巻が置いてあったのでついつい借りてしまい、そこで上記伊集院光のコラムも目にしてしまったこともあり、封印をといてしまったのですが、これが噂通り、続きが気になってたまらない(笑)
しかもタイミングがいいことに、DVDボックスの1セット目が今日職場に届き、あたかも俺に「すぐに見ておけよ」と訴えかけているかのごとくで。こうなったら、途切れ途切れになることを覚悟の上、少しずつ見ていくしかない!というわけで今日はDVDの第二巻(AM4:00~)を借りてきてしまいました。とはいっても、さすがに平日にみてしまうと、朝完全に起きることができなくなるので、とりあえず週末まで我慢かな。。

投稿者 shaw : 01:37 | トラックバック

2003年11月13日

『マトリックス レボリューションズ』

公開されて、はや一週間経ちました。もう観た、という方も多いのではないでしょうか?
私も先週末に劇場に足を運んで観てきましたが、あれはどうなんでしょうかねー。

はじめから作品の出来にはあまり期待していなかったので、そんなに落胆したと言うわけでもないんですが、やっぱり一抹の寂しさを感じました。仕事でマトリックスに関わっていなければ、多分観てなかっただろうなぁ。。

ザイオン対センチネルズのどんぱちは、個人的には意外と楽しめたのですが、他のシーン(予告でもさんざんながれてたラストのタイマン勝負とか)はほとんど心に響くことがなかったです。いろいろと消化不良で終わってしまった感じが強くて。ウォシャウスキー監督はあえてそういう終わらせ方をしたのでは、という意見もありますが、これだけひっぱいておいてこの切れの悪さはどうなんだろう、と思うところで。

作品評価:★3 ※採点基準はこちら

今日、職場でのミーティングで、マトリックス識者のいろいろな見解を聞きながら、「あのシーンはこういう意味があったのか!」という発見も多かったのですが、それも『リローデッド』の鑑賞後に感じたほどでもなかったかなぁ。この件(『レボリューションズ』のFAQ)は、近々 matrix の BLOG で掲載されると思うので、消化不良で悶々とされている方はそちらを参考にしてみてください。WEBにアップされたらここでも告知しますね。

投稿者 shaw : 01:05 | トラックバック

2003年11月03日

『アラバマ物語』と理想の父親像

cover『アラバマ物語』を鑑賞しました。とても良い映画でした。

作品評価:★5 ※採点基準はこちら

先日(といってもかなり経ちますが)、「映画史に残るヒーロー&悪役100人」というのが全米映画協会から発表され、ヒーロー部門で堂々一位に輝いたのがこの作品の父親役アティカス・フィンチ(グレゴリー・ペック)でしたが、作品を実際に観てみると選ばれた理由がよくわかります。身近なヒーロー「父親」として、あまりに完璧な存在なんですよね、この映画のグレゴリー・ペック。完璧すぎて、理想像としてしか見ることが出来ないですが。しかし、この理想の父親と、その子供が成長する瞬間(ラストでの娘の一言が総てを集約してます)は、とても観る価値があると思います。

毎日毎日暗いニュースばかり流れますが、そういう時にこそ多くの人にこういう作品を観てもらいたい、とか偉そうな事を思ったり。

2003年11月02日

『ブラッド・ワーク』

二週間ほど前に職場に新しくバイトとして入ってきたFさんは、熱烈なイーストウッドファンで、イースドウッド作品について語りだすとどこまでも話し続けるような方なのですが、『ミスティック・リバー』が楽しみですねーという話をしていたら『ブラッド・ワーク』も面白いよと勧められて、そんな経緯もあって早速鑑賞してみました(はー、ながい前フリ)。

まぁ、実は昨年に劇場で公開されたときも面白そうだな、と思っていて、劇場に観にいく気満々だったんですが、宣伝がとても地味だったこともありいまいち乗り気じゃなくなってしまったんですよね。本国アメリカでも全然ヒットしなかったようですし。ただ、今日観てみると面白いんですよ、これが。ミステリーとかサスペンスが好きな人だったら観て損はしないと思います。

例によってストーリーを簡単に紹介。
ある連続殺人事件を追いかけつづけているFBIのプロファイリング捜査官(イーストウッド、70歳を過ぎたじいさんのやる役ではないかと←ファンに面と向かってはいえない)が、あと一歩のところまで犯人を追い詰めたところで、持病の心臓病で倒れてしまい、その犯人を逃がしてしまう。その後臓器手術をうけて回復したところで、別の殺人事件が発生、その被害者は心臓を提供してくれたドナーだったことが判明し、被害者の姉が「元」FBI捜査官に調査を依頼する。。という感じですね。

正直言うと、ストーリーに目新しさは感じられないですが、とても堅実に、そして丁寧に、さらにいうなら男気あふれるいかにもイーストウッド監督作らしい映画で、安心して楽しめました。すごく地味なのも仕方のない気がしますが、もう少しヒットしても良さそうに感じました。そうですね、クリストファー・ノーラン版『インソムニア』が面白かった人には特にお薦めかと思います。

作品評価:★4 ※採点基準はこちら

投稿者 shaw : 17:29 | トラックバック

2003年11月01日

『座頭市』

せっかくのファーストデイということもあり、未見だった『座頭市』を観てきました。

あまり興味のある作品ではなかったのですが、ベネチア映画祭で好評を得たり、まわりでもなかなか評判が良かったりで、やはり一度は観ておいた方がいいのかなぁ、と。

で、鑑賞後の感想としては、笑いあり、活劇ありのしっかりと楽しめる娯楽時代劇に仕上がっていて、十分楽しむことができました。ガダルカナル・タカのギャグなんかは、ベタなのにかなり笑ってしまいましたしねー。
実は、過去の『座頭市』シリーズも、北野武監督作品も全然観たことないので、この二つの点からこの作品についての批評じみたことはいえないのですが、娯楽作として考えたら評判が良いのもうなずけますね。殺陣のシーンの迫力なんかは必見だと思います。

ただですね、個人的には不完全燃焼なんですよ。なにが原因か、まだよく分析できていないのですが、主演の北野武が私の中でしっくりこなかったのかもしれないです。王道を行く(無難な)ストーリー展開なのにもかかわらず、どうにも中途半端な感が残って。eiga.comの特集ページで、「勝新太郎の座頭市とは全然違ったものにしたかった」という北野監督のコメントがでていて、確かに好き勝手やらせてもらえたんだなぁ、というのは伝わったのですが、メリハリをつけるための演出の方法が私には中途半端に感じたのかもしれません。

良くも悪くも北野武映画なんでしょうね、おそらく。そして、それが私にはあまり合わないのかもしれない、そんなことを思った映画でした。

作品評価:★3 ※採点基準はこちら

投稿者 shaw : 20:56 | トラックバック

2003年10月26日

『始皇帝暗殺』

『ザ・ミッション』を探していたときに目に留まって気になった『始皇帝暗殺』を借りて観てみました。私、三国志をはじめ、中国史がなかなか好きで、一時横山光輝先生の「史記」を愛読していたこともあって、なかなか面白そうなストーリーに感じたんですよね。

ストーリーを一口でいうと、荊軻による始皇帝暗殺計画をモチーフに、趙姫というオリジナル(ですよね?)の姫様を始皇帝と荊軻の間に挟むことで、揺れる心情描写を描こうとした作品になってます。

制作費がかかっているだけあって、とてもスケールの大きな作品に仕上がっていますし、史劇が好きな人には場面場面で圧倒される部分があると思うのですが、ストーリーの見せ方というか、始皇帝の演出が中途半端なんですよね。始皇帝を「普通の人」に見せようとしたんでしょうけど、それがどうみてもマイナスに出てしまっている。前半はぐいぐい引き込まれたんですけど、後半は尻つぼみになってしまった感が強いです。

ただ、スケールの大きな野戦のシーンや、雰囲気の出ている町並みなど、ロケによるシーンは迫力があります。他にも、不呂偉と始皇帝が対峙(という表現は正しくないけど)する場面など、良いシーンもあるんですけど、全体的に見るとあまりぱっとしない作品かもしれません。

歴史好きからみると、面白い素材だと思うので、もっと面白い作品にもできたんじゃないかなぁと思うとかなり残念、というかもったいない作品でした。

作品評価:★2 ※採点基準はこちら

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2003年10月25日

『ザ・ミッション 非情の掟』

先週末、数え切れないくらいの(おおげさ)ビデオレンタル屋を廻り歩き、ついに『ザ・ミッション』という映画を見つけたので、鑑賞してみました。

そもそも、なぜこの作品をそんなに苦労してまで探したかと言うと、一ヶ月ほど前に、職場の先輩に「『インファンル・アフェア』の公開が楽しみで、楽しみで」と話したところ、じゃぁこの映画を観てみるといいよ、と勧められたのがきっかけで、ネットでちょっと情報を収集してみるとなかなか評判が良かったわけでした。

香港マフィア映画で、ストーリーはマフィアのボスに集められた5人のボディーガードがチームを組んで、ボスの命を狙っている連中を追い詰める、というものなのですが(こんな説明じゃ陳腐すぎるかな。。)、この作品のメインである「ボスを守る」アクションパートが、静と動のメリハリが良く利いていて最高の緊張感を演出していたと思います。

個人的にはストーリーに物足りなさを感じたのも事実なのですが、良く言うと「無駄が一切ない」ともとれて、完成度はなかなか高いと思います。

作品評価:★4 ※採点基準はこちら

投稿者 shaw : 23:57 | トラックバック

2003年10月13日

『“アイデンティティ”』

“アイデンティティ”』という映画を観る機会に恵まれたので、鑑賞してみました。

以前、予告をチラッと見たときに、なかなか面白そうな印象を受けたので結構楽しみにしていたのですが、出来の方はまずまずといったところですかね。

サスペンスというジャンル柄、内容に触れることで、面白みを失ってしまう可能性があるので特に言及はしませんが、私的には大体予想できる範疇のオチでしたねー。
ただ、実はびびり屋なので、前半の方でビクビクしながらみてました(笑)

作品評価:★3 ※採点基準はこちら

投稿者 shaw : 21:31 | トラックバック

2003年10月11日

『インファナル・アフェア』公開!

観てきました、早速。

これが面白いのなんのって。みごと期待に応えてくれました。シナリオ、演出、俳優すべて文句なしです。現時点で、今年のBEST MOVIEかもしれない。まだ余韻が残っていて、なかなか仕事モードになれないので、まずは感想だけエントリー。

キャッチコピーに「女も惚れる本物の男のドラマ」とあるんですけど(そういえばいつのまにか公式サイトのTOPに星野監督のコメントが入ってますねー)、本当に作品に惚れた気分です。

香港映画というと、ジャッキー・チェンやジェット・リー主演のカンフーアクションしか興味ない(これは極論すぎるかな)という人も、是非観てみることをお薦めします。
なかなか味わうことのない、極上の緊張感を味わえると思いますよ。

ところで、私は今日の初回を映画館で観てきたわけですが、初日なのに思ったほど人が入っていなくて寂しい感じでした。映画公開前も、あまり盛り上がっている感じを受けなかったので、思いのほか人が入らないかもなぁ、とも思っていたのですが、やっぱり残念ですねー。とても良い作品だと思うので、多くの人に観てもらいたいなぁ。。

作品評価:★5 ※採点基準はこちら

以下、ちょっとだけネタばれありの感想です。

投稿者 shaw : 16:23 | トラックバック

2003年10月06日

『パリ、テキサス』

cover先日このBLOGで触れましたが、池袋の新文芸坐で『パリ、テキサス』が上映されていたので、今日観てきました。やっぱりいい映画ですね。もう何度も観ているのですが、最後の鏡のある部屋での告白には心がぐらぐらしてしまいます。

そもそもDVDで持っているのに映画館に行くところが自分でもなにか間違っているな、とも思うのですが、本当に好きな映画は一度は映画館で観てみたい、という欲求があって、今回はそれを実現するいい機会だったので逃すわけにはいきません。

何度も観ているわりには、いまだに主人公の心理描写に納得がいかない、というか、自分には理解できない部分があったりするのですが、それなのに毎回最後で感動するのが、自分でも不思議でなりません。ライ・クーダーの、心を揺さぶるギターの音が効いているのでしょうか。それとも、8才という設定以上に大人びている、あの子役の演技にくらくらしているのでしょうか。このあたり、私にもはっきりと理解できる時がいずれ訪れるといいのですが。

作品評価:★5 ※採点基準はこちら

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2003年09月29日

『フォロウィング』

cover『フォロウィング(FOLLOWING)』という映画をご存知でしょうか?
『,』で一躍有名になった、鬼才クリストファー・ノーラン監督の長編デビュー作です。噂では、この『FOLLOWING』という作品も非常に完成度の高い作品だとは聞いていましたが、予備知識はほぼ0でした。

ちょっと観る機会に恵まれたので、今日観てみたのですが、本当に完成度の高い作品でした。作風としては、『メメント』と似ていて、一本の時間軸を巧みに前後させてストーリーを再構築し、ややもすると複雑に見せかけているだけのように思わせておいて、しかし要所要所で「そういうことか!」と唸らせるストーリー展開となっています。まさに『メメント』の原点といえる作品ですね。

私も途中頭が混乱気味でしたが、あるシーンで「あぁ、なるほど。やっとすべてがつながりそうだ」と油断したところでいきなりラストに向かって話が進み、唖然というか、そうきたか!というある種の心地よさを感じることができました。オチに関してはネタばれになるのでもちろん触れませんが。

個人的には、とても上映時間が70分という短さには感じられませんでしたねー。かなり密度が濃いです。私は、犯罪もの(といってもジャンルの幅は広いですが)の最高傑作はキューブリック監督の『現金に体を張れ』だと思っていますが、ストーリーの濃度・無駄の無さという点ではかなり近いものを感じました。誉めすぎかな。

とにかく良い掘り出しものを見つけた気分です。ただ、『メメント』同様、繰り返し見て楽しむ、というよりは初見時の新鮮な刺激を楽しむタイプの作品ではあると思います。私はもう一度じっくり観てみようと思っていますが。

作品評価:★4 ※採点基準はこちら

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2003年09月22日

『ロジャー&ミー』

cover長いこと気になっていた、マイケル・ムーアの初監督映画『ロジャー&ミー』、最近DVD化されたのをきっかけに鑑賞してみました。

作品のことを知らない方のために、まずは簡単なあらすじを。
マイケル・ムーアの生まれ故郷、ミシガン州フリント。ここは世界的自動車メーカー、GMの発祥の地で、工場も数多くあり、地元の人間の多くはその工場の従業員。ところがある日、GMの会長ロジャー・スミスが「3万人の従業員を解雇する」と発表、実行に移した事で、フリントは失業者にあふれ、悲惨な状況になる。これに憤ったマイケル・ムーアは、会長にフリントの惨状を実際に見てもらおうと、大企業GMに単身乗り込むのだった。

以下、簡単な感想。
・十数年前の作品だけあって、マイケル・ムーアがかなりスマートでした。太ってなかったんですねー。どうでもいいけど。

・目的のためには、即座に実行。つまり、近作『ボウリング・フォー・コロンバイン』でもみせた突撃インタビューのことなんですが、あのスタイルはデビュー作から変わらずでした。ロジャー・スミス会長に直接会うために、会長の現れそうなところに執拗にアタックする。で、当然なかなか会長を捕まえることはできないのですが、その都度出会ういろんな人にそのものずばりなインタビューを実行。この鋭い切り口が作品の基調になってます。

・『ボウリング~』のカナダでのインタビューのような、笑える場面は全然ありません。全編を通して、かなりシリアスな雰囲気を維持してます。当作品のほうが、まっとうなドキュメンタリー映画といえるかもしれないですね。

・一度鑑賞後、監督の解説付きで最初の10分ほど観直してみたのですが、今年の5月収録と結構最近のマイケル・ムーアの声が収録されていて、かなり面白そうでした。今日は時間がなくてまだ続きを観ていないですが、近いうちに再度鑑賞してみます。

作品評価:★3 ※採点基準はこちら

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2003年09月16日

『名もなきアフリカの地で』

世間が阪神優勝決定で大いに賑わっているだろう中、私は銀座の映画館でまったりと『名もなきアフリカの地で』を鑑賞してました。
たとえ阪神優勝が18年ぶりの珍事であっても、ファンでない球団のことなんてどうでもいいんです、私には。男とは、自分の好きなことを貫けばいいんだ!決して強がりではありません。。トホホ。

さて、『名もなきアフリカの地で』ですが、前評判(分かりやすい一例に、今年のアカデミー賞の「外国語映画賞」受賞作品)も、公開後の評判も良かっただけあって、大変見ごたえのある、よくできた作品かと思います。少なくとも、私はストーリーにぐいぐい引き込まれ、大満足でした!

作品評価:★4 ※採点基準はこちら

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2003年09月08日

『騎兵隊』

先週FOXHEから発売になった、『騎兵隊』のDVDを観てみました。

実は南北戦争を背景にした作品はあまり観たみたことがなくて、それだけで結構新鮮な感じです。
ジョン・ウェイン(大佐)とウィリアム・ホールデン(軍医)の対立を軸にストーリが展開されていくのですが、この二大俳優の共演に違和感もなく、しっかりと物語を盛り上げていますね。
なかなか満足のいく出来栄えだと思います(←えらそうな評価ですみません)。

作品評価:★4 ※採点基準はこちら

ただ、迫力のあるシーンはあまりなく、カラー映像もあまりしっくりこない感がちょっとあります。
同じジョン・フォード監督の『駅馬車』を観たときは、「この作品、カラー映像で観てみたかったなぁ」と思いましたが、逆にこの作品はモノクロ画像の方が雰囲気でたかも、という気がしました。

はて、この違いはなんだろう。改めて考えてみよう。。

投稿者 shaw : 01:16 | トラックバック

2003年09月02日

『踊る大捜査線 The Movie2』

公開から結構経ちますが、やっと『踊る~2』を観てきました。

日本実写映画の興行成績の記録を更新しただけあって、サービス精神満点な作品でした。まぁ、辛口な批評を目にすることもしばしばありますが、個人的には、心から楽しめる、なかなか完成度の高い作品ではないかと。
この作品を観て素直に楽しめないっていう人は、「娯楽大作」というジャンルには向いていないのではないでしょうか。

作品評価:★4 ※採点基準はこちら

ところで、昨日レイトショウを目当てに、「シネマ8」という恵庭にあるシネコンに夜に行ってきたのですが、実は昨日は1日ということで「ファーストデイ」サービスの日だったんですね。得をしたんですが、もっと早く気付いていたら他の映画も観たのに・・・、なんてチケットを買いながら思っていたら、予告の時間になってさらに驚く事が。

なんとですね、この映画館、「メンズデー」サービスというのが毎週火曜日にあるらしいのです。毎週水曜日の「レディースデー」サービスってのはお馴染みなのですが、「メンズデー」サービスというのはこれまでに聞いた事がなかったので、ちょっとびっくりしました。よく会社の先輩と、「レディースデー」があって、なんで「メンズデー」がないんだろう、という話をするのですが、実はやっているところもあるようで。

というわけで、本日も映画館に足を運んできます。
今日は何を観ようかな。

2003年08月31日

『ボウリング~』その1

金曜日、『ボウリング・フォー・コロンバイン』のDVDを購入しました。

今日(土曜日)は結構ばたばたしていたのでまだ作品をみ直してはいないのですが、北海道へ帰ってくる飛行機の中でDVDのおまけである「MMMM」という小冊子をずっと読んでいました。内容は、作品の解説や、作品に影響を与えた人物・文章などにスポットをあてた内容で、なかなか読み応えがありました(というか、まだ全部読んでないし)。

私は、マイケル・ムーアに関係する書物・作品を見ていると、アメリカに対する危機感がものすごいものになってしまうんですが、そのこと自体『ボウリング~』の中でマリリン・マンソンが語っている「メディアが恐怖をあおっている」ことに通ずるものがあって、結局恐怖を与えないと物事が前進しないのかな?とか思ってしまいます。

投稿者 shaw : 01:07 | トラックバック

2003年08月26日

『スピード』とサンドラ・ブロック

会社から、『スピード』のアルティメット・エディションを借りたので週末に観てみました。
これまでに何度も民放で放映され、私も何度も観ていたつもりだったのですが、
いざ観はじめてみるとなんとも違和感が。

あれ、オープニング、こんなに安っぽかったけ?
エレベーターのやりとり、覚えてないなぁ・・・。

中盤にさしかかる前の、一台のバスが爆発するところではっきりと気付きました。
そう、この映画、はじめから観た事ない!
「!」をつけるほど驚くことでもないんですが、かなり意外でした。
いつもいつも、バスが走り出してからのドタバタしか観てなかったんですねー。

もう一点、ちょっとした違和感が。それはサンドラ・ブロックの声です。
最近洋画を観るのはもっぱら字幕でなので、有名な俳優さんだったら
そんなところで違和感なんてそうそう感じないのですが、
サンドラ・ブロックの声って、こういう感じだっけ?と気になって。

よくよく思いこおしてみると、サンドラ・ブロックがでてる映画、全然みてない。
『スピード』:民放でのみ。当然吹き替え。
『評決のとき』:これもなぜか吹き替えでみた記憶しかない。
以上。二作品しか観てないのです、私。当人の声を聞くのは、これがはじめてだったわけです。
個人的にはかなり好感度の高い女優なのですが、まさか本人の声さえ聞いた事がないとは思いもしませんでした。。

投稿者 shaw : 01:15 | トラックバック

2003年08月17日

『コンフェッション』

映画館に足を運んできました。

本当は『名もなきアフリカの地で』を観る予定だったんですが、
シネスイッチに20分前についたらすでに立ち見状態だったので諦めました。

で、急遽『コンフェッション』に切り替え。
個人的な感想は下のリンクから(ネタばれはないです)。

作品評価:★3 ※採点基準はこちら

そうそう、作品の途中でブラッド・ピットそっくりさんがチラッとでてきて
(シーンは覚えてないけど・・・)、似てるなぁと思ったんですが、
エンドロールで名前がでてましたね。カメオ出演ですか。
マット・デイモンの名前も出てた気がするけど、こっちは全然気付きませんでした。

投稿者 shaw : 21:46 | トラックバック

2003年08月16日

『HERO』

日がかわってしまったので(終電を乗り過ごしてしまったので、今は始発まで会社待機・・・)、
今日が『HERO』の公開初日になりますねー。

私は、ちょっとした仕事の関係上、4月の上旬にあったマスコミ試写で、先行して作品をみることができました。年明け早々に今の会社に転職をしたのですが、はじめて仕事で試写に連れて行ってもらったのが当作品だったりします。

初めて予告映像を見たとき、「始皇帝の前に現れた一人の男。彼が語りだしたのは・・・」というナレーションにしびれ、やたらとはったりの利いた映像にやられ、期待度大だったのですが(期待のあまり、本家の掲示板に書き込んだり)、個人的には見事に期待に応えてくれましたね。

今年の夏も『マトリックス リローテッド』にはじまり、いろいろな大作映画が公開されていますが、一番質が高い作品は『HERO』ではないかと、私は思っております。公式サイトの掲示板の書き込みを見る限りでは、結構評判も良いみたいなので、ぜひともヒットして欲しいと思っています。

作品評価:★4 ※採点基準はこちら

投稿者 shaw : 03:52 | トラックバック

2003年08月15日

映画の評価基準

私の映画の評価基準です。
早い話が、CinemaScapeに準拠しているだけで、下の文章もCinemaScapeからの抜粋です。

★5 「お気に入り」「特にお薦めです」「とてもよい」「何度でも見たい」「いつでも見れるように家に持っていたい」
★4 「かなり面白い」「お薦めです」「よい」「映画館で金払ってもよい」
★3 「それなりに面白かった」「まあまあよい」「一応、合格点」「ビデオで借りて見るくらいの価値はある」
--ボーダーライン--
★2 「おすすめしない」「自分の趣味ではない」「よくない」「ただなら見てもいいか」「TVでやってたら見ても害にはならない」
★1 「みるだけ時間の無駄」「ただでも見ない」「金返せ」「最悪」「どんなに暇でも世の中にはこれを見るより他にやることがあると思う」「国際便の飛行機でやっていたら耳栓をして寝るべし」

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