2004年11月01日

『コラテラル』

マイケル・マン監督の新作、『コラテラル』を鑑賞してきました。
観に行く前に私の耳に入ってきた評判、シナリオに関してはかなり厳し目だったのであらかじめその辺を割り引いての鑑賞だったのですが、それが良かったのか個人的にはかなり楽しめました。

作品評価:★4 ※採点基準はこちら

やはりシナリオに関しては穴が多い、というか突っ込む気になればキリがない展開だった気もするのですが、この映画の最大のポイントはもちろんそんなところではなくて、夜のロサンゼルス(でしたよね?)のデジタル映像の美しさと、それが醸し出すちょいとダーティーな雰囲気の中でのタクシー運転手(ジェイミー・フォックス)と殺し屋(トム・クルーズ)の掛け合いにあるわけです。妙に説教くさい殺し屋の描き方(撮り方)なんて、完全にマイケル・マン節全開な感じですよね。この監督は『インサイダー』といい『ヒート(未見だけど・・・)』といい、硬派な映画(映像)を撮らせたらハリウッドでもぴか一な存在だと思われ。

逆に、その雰囲気を堪能できないかぎり、この映画を観てもそれほど面白く感じないのではないでしょーかね。個人的には、映画はシナリオが面白くて初めて成り立つ、という気持ちがもっとも強いのですが、たまにはこういう雰囲気で面白さを堪能できる映画もいいですよね。

-- 追記 --

上で触れた『インサイダー』という映画、個人的にかなりのお気に入り作品です。全編にわたり、信条を貫く男たちの闘いが描かれていて、最後の最後まで緊張感を失わない演出は、見事だと思います。一口で表すなら、映画は静かなのに、内容はとても熱い(濃い)映画です。未見の方は是非。

インサイダー
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あと、タクシーの運転手を演じたジェイミー・フォックスは、初めて観た俳優でしたがなかなか上手かったですね。そうそう、この作品がまだ企画の段階では、このタクシーの運転手をアダム・サンドラーにオファーしていたそうですが、結局アダム・サンドラーがそれを断ったらしいです。これはこれで面白そうなキャスティングだったんですけどねー・・・。

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投稿者 shaw : 2004年11月01日 00:33

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