2004年12月11日

『カンフーハッスル』

昨日、元旦公開で話題(というわけでもないかな?)の『カンフーハッスル』の試写に行ってきました。
日本でも笑いの渦を巻き起こした、あの『少林サッカー』の監督・主演、チャウ・シンチーの新作です。映画を一口にまとめると、「バカカンフー映画」に尽きると思います。『少林サッカー』のやりすぎさ加減が子供に思えるくらい、カンフーを題材にして徹底的に好き勝手やってます。

で、個人的感想なのですが、これがどうもいまいちなんですよねー。
確かに笑えるシーンは結構あった。キャラ設定も面白いし、ワイヤーアクション全開のカンフーシーンもはじめのうちはそれほど違和感なく、結構興奮できる仕上がりだった。のですが、後半のはやりすぎかなぁ、と。楽しめる人は最後まで楽しめるかもしれませんが、私はちょっとひいちゃったな・・・(飽きちゃった、と言い換えることも出来るかも?)。『少林サッカー』は最後まで笑いっぱなしだったんですけど、この差はなんだろう。私の中の「やりすぎ」の許容範囲を超えてしまったということなのかなぁ。

作品評価:★3 ※採点基準はこちら

なんのひねりもない表現を使うなら、「ドラゴンボール」をオール東洋人で実写化したらこうなります、という感じですかね。私は、漫画の世界(世界観)は、あくまでも漫画というのが前提にあるので、どんなにはちゃめちゃであっても楽しめるんですが、それが実写になって微妙な現実感が醸し出されると、その世界を割り切って見れなくなってしまう、というところがあるのかもしれない。

そういえば、『マトリックス レボリューションズ』を観た後も同じようなこと思ったっけなー・・・。

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-- 追記 --

以下、かなりネタばれっぽいので、読む場合は注意してくださいませ。


一緒に観にいった編集長は、鑑賞後「感動したよ」と言ってました。私とは全然違った感想だったんで、興味深く話を聞いてみたところ、「マトリックスに似ているよね」。


あのVFXかな、と思ったのですが、どうもそうじゃないようで。

つまり、話の裏に読み取れる世界観が、『少林サッカー』とは違ってしっかり練られている、というのです。
『マトリックス』の主人公ネオは、一度死んだ後生き返って、救世主へと導かれるじゃないですか。その辺りの設定は宗教じみているわけです。で、編集長曰く、『カンフーハッスル』の主人公も、最後目覚めて強くなる、という部分が共通しているよね、と。「マトリックス → キリスト教の世界観」が「カンフーハッスル → 仏教(?)」と置き換わっただけで、根本は同じ。ははぁ、確かに言われてみるとそうかもしれない。ふ、深いなぁと、感心したのでした。

けど、私には鑑賞中にそんな見方は全然できなかったですよ。そもそも、『カンフーハッスル』という邦題がつけられた時点で、そういう印象を持つことが出来る人はほとんどいないのでは、とも思ったり。

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投稿者 shaw : 2004年12月11日 20:39

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