2004年12月27日

『スーパーサイズ・ミー』

今年のサンダンス映画祭で話題になってからずっと気になっていた『スーパーサイズ・ミー』、やっと日本でも公開されたので、早速鑑賞してきました。アメリカで社会問題になっている「肥満」はなぜ起きるのか、実際に起きたマクドナルドへの訴訟にヒントを得た監督が、自ら「1ヶ月間、マクドナルドで売られているものしか食べない」というアホみたいな実験を行ったドキュメンタリー映画です。発想からして面白そうじゃないスか?

で、鑑賞後ですが、久々に考え込んでしまいました。映画の内容に対してもそうですが、それよりも自分の今の食生活ってヤバイ!という危機感が・・・。

わたし、一人暮らしをはじめてからかれこれ8年近く経ちます。そのはじめの4年間(大学生時代)はそれなりに自炊もしてたし、あまり外食に頼らない(コンビニ弁当含む)生活をしていたつもりなのですが、東京に出てきて、特に今の職場に転職してからは、帰りの時間が遅いこともあってほとんどの食事を外食頼りになってしまっているんですよね。まだ体に変化が特にないので、「俺は太らない体質に違いない」とたかをくくっている感じが大いにあるのですが、『スーパーサイズ・ミー』を見てみると、それはたまたまなのかもしれない、いや今までの規則正しかった頃の食生活の貯金を使っているだけで、いずれ私の体にも変化が起こり始めるかもしれない、と思うとはやくもびびりが入ってます。いやぁ、本気で自分の食生活のあり方を見直そうっと。

危機意識を持っただけではなくて、ドキュメンタリー映画としても非常に良く出来ていると思います。まず、アメリカの肥満問題について、映像とデータを上手く使ってわかりやすく解説しながら、危機意識を盛り上げていくくだり。そして、この作品のメインである「マックだけの1ヶ月間」を、はじめはおかしく楽しく、そして終盤はまわりの人に止められながらも実験をやり遂げていく過程の変化の見せ方。体重が増えていく、というのはある程度予測できるんですけどねー。

作品評価:★5 ※採点基準はこちら

普通の生活を送っていたら、「マック食オンリー」などというシチュエーションはありえないと思いますが、それに近い生活を送っている人はいると思う。それがどういう風に体(と精神)に影響を及ぼすか、せっかく監督が体をはって見せてくれたわけですし、ちょっとでも心当たりのある人は是非一度鑑賞してみることをお薦めします。

-- 追記 --

作品の中で一番なるほどと思ったのは、「子供に対する刷り込み」ですね。小さな頃からファーストフード(店)に慣れ親しむことで、ファーストフードから離れなれなくなる、という主張は最もだと思いました。

今思うと、私が実家にいた間、なにかイベントがないかぎりは、滅多に外食で済ますということがなかったのが私には良かったのかもなぁ。

途中、マンハッタンだけでマクドナルドの店舗が沢山ある、という描写があって、笑いながら見ていたんですが、鑑賞(渋谷・シネマライズ)後に前の職場の同期の面々との飲み会待ち合わせの場所(歩いて5分くらい)までにマックが3軒あって、ひとりほくそ笑みながら「日本も一緒だ・・・」と怖くなったのでした。パンフレットにも、肥満問題が拡大しているのは日本も同じだ、と書いてあったし。

これまであまり意識したことなかったけど、この問題はもっとしっかり考えないといけない段階に来ているということですかね。

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投稿者 shaw : 2004年12月27日 21:15

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