2004年12月31日

2004年 BEST MOVIE!!

去年も大晦日にやったんですが、やっぱり個人的にこのエントリーは、年の瀬には欠かせないですね。ということで、早速今年封切された映画の中から、私のBEST10をあげてみたいと思います。

1位:『シービスケット』
2位:『スクール・オブ・ロック』
3位:『スーパーサイズ・ミー』
4位:『ミスティック・リバー』
5位:『ジョゼと虎と魚たち』
6位:『下妻物語』
7位:『スパイダーマン2』
8位:『ドラムライン』
9位:『スウィング・ガールズ』
10位:『インファナル・アフェア 無間序曲』

去年同様、ハリウッド大作があまり上位に来てない(というより、ほとんど観てない・・・)というのと、日頃あまり見ない邦画が3本も名を連ねているところが特徴的かなー。あと1~3位は甲乙つけがたい感じなんですが、まぁ暫定的な順番ということで。

投稿者 shaw : 23:22 | トラックバック

『下妻物語』

個人的に、今年公開された作品の中で、劇場で見逃して気になっていた作品NO1だった『下妻物語』、気がつけば(1ヶ月くらい前に・・・)レンタルが始まっていたようなので昨日レンタルして鑑賞してみました。

さて、この『下妻物語』という作品、茨城県(で当たってます?)の下妻という田舎で繰り広げられる、ロリータファッション娘・桃子(深田恭子)とヤンキー娘・イチゴ(土屋アンナ)の不思議な友情を描いたヒューマンドラマです。初めて予告で(1年以上前?)、ロリータファッション姿の深田恭子が空を飛んでいる映像を見て、「なんだ、これ。とんでも映画か??」と思ったものですが、蓋を開けてみればなんと熱ーい友情ドラマだったんですね。すっかりだまされました、私w

で、鑑賞後なのですが・・・。不覚にも思いっきり涙してました、ハイ。完全にやられました。これまでにもいくつかの映画レビューで書いたかもしれませんが、実は私涙腺がとても弱いのです。そして、こういう不思議な縁とか固い友情とか、そういうのがツボにくるんですね。中盤、これまで他人に心を閉ざして生きてきた桃子が、イチゴに心を開いていくくだりからもうホロホロきちゃって。いや、こういう映画でいいように泣ける自分が好きですw

なんといいますか、主演の二人があまりにもはまり役なのがこの映画の最大の成功要因じゃないですかね。深田恭子のロリータファッション(とナレーション口調)が全く違和感ないというのが凄い!いや、この役を演じるために生まれてきたといっても過言じゃないはずだ(←言いすぎ)。もう、土屋アンナにいたっては、もともとヤンキー娘だったに違いない!!というくらい、はまってます。

多分、第一印象と鑑賞後の感想はだいぶ違うんじゃないですかね。個人的にはかなりのヒット作でした。もし、見た目で敬遠しているなら、それはもったいないことをしている可能性が大です。だまされたと思って、是非鑑賞してみることを私は薦めます~♪

作品評価:(限りなく★5にちかい)★4 ※採点基準はこちら

下妻物語 スタンダード・エディション
東宝 (2004/11/26)
売り上げランキング: 433
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おすすめ度の平均: 5
5 一度は観ておきたい秀作!
5 B級コメディのようで、実は感動の青春映画
5 最高*
投稿者 shaw : 22:25 | トラックバック

2004年12月27日

『スーパーサイズ・ミー』

今年のサンダンス映画祭で話題になってからずっと気になっていた『スーパーサイズ・ミー』、やっと日本でも公開されたので、早速鑑賞してきました。アメリカで社会問題になっている「肥満」はなぜ起きるのか、実際に起きたマクドナルドへの訴訟にヒントを得た監督が、自ら「1ヶ月間、マクドナルドで売られているものしか食べない」というアホみたいな実験を行ったドキュメンタリー映画です。発想からして面白そうじゃないスか?

で、鑑賞後ですが、久々に考え込んでしまいました。映画の内容に対してもそうですが、それよりも自分の今の食生活ってヤバイ!という危機感が・・・。

わたし、一人暮らしをはじめてからかれこれ8年近く経ちます。そのはじめの4年間(大学生時代)はそれなりに自炊もしてたし、あまり外食に頼らない(コンビニ弁当含む)生活をしていたつもりなのですが、東京に出てきて、特に今の職場に転職してからは、帰りの時間が遅いこともあってほとんどの食事を外食頼りになってしまっているんですよね。まだ体に変化が特にないので、「俺は太らない体質に違いない」とたかをくくっている感じが大いにあるのですが、『スーパーサイズ・ミー』を見てみると、それはたまたまなのかもしれない、いや今までの規則正しかった頃の食生活の貯金を使っているだけで、いずれ私の体にも変化が起こり始めるかもしれない、と思うとはやくもびびりが入ってます。いやぁ、本気で自分の食生活のあり方を見直そうっと。

危機意識を持っただけではなくて、ドキュメンタリー映画としても非常に良く出来ていると思います。まず、アメリカの肥満問題について、映像とデータを上手く使ってわかりやすく解説しながら、危機意識を盛り上げていくくだり。そして、この作品のメインである「マックだけの1ヶ月間」を、はじめはおかしく楽しく、そして終盤はまわりの人に止められながらも実験をやり遂げていく過程の変化の見せ方。体重が増えていく、というのはある程度予測できるんですけどねー。

作品評価:★5 ※採点基準はこちら

普通の生活を送っていたら、「マック食オンリー」などというシチュエーションはありえないと思いますが、それに近い生活を送っている人はいると思う。それがどういう風に体(と精神)に影響を及ぼすか、せっかく監督が体をはって見せてくれたわけですし、ちょっとでも心当たりのある人は是非一度鑑賞してみることをお薦めします。

投稿者 shaw : 21:15 | トラックバック

2004年12月13日

『赤ひげ』

先週に引き続き、黒澤明監督作品を鑑賞。今日は『赤ひげ』です。
暴れん坊将軍なんかでもおなじみ(でしたよね?たしか)の「小石川養生所」に着任した主人公保本(加山雄三)が、通称赤ひげ(三船敏郎)先生と出会うことで、医者として、そして人間的に成長していくという話です。

作品紹介やレビューを読んである程度覚悟はしていたのですが、鑑賞中泣いちゃいました。いや、号泣といってもいいかも。小石川養生所は、お金のない庶民のための施設なわけです。で、患者はみな貧乏に苦しんだ人生を送ってきてて、中にはとんでもない過去を背負ってきた者もいる。この作品の前半は、その患者達の死の間際または死後に明らかにされる、重く、しかし純粋な生き様が描かれているのですが、ここですでに私の涙腺は緩みっぱなしです。

そして、なんといっても、赤ひげこと三船敏郎の存在感。悲しいエピソードの連続なのに、決してこの作品が暗くならず、常に前向きに思えるのは、赤ひげ先生の人情あふれる暖かさがあるが故でしょう。時には、町奉行を暗に脅迫したり、ならず者相手に手加減無しの大怪我を負わせたり。しかし、自分の患者や助手達にはひたすら暖かいまなざしを送り続ける。素晴らしいじゃないですか。

作品後半は、心に深い傷を負った少女と主人公の触れ合いによって、主人公の成長の描写に主眼が置かれます。少女の看病のあと、逆に倒れた主人公を看病する少女のシークエンス。その後の、やたらと大人びている「子鼠」と呼ばれる少年と、心の病から立ち直った少女とのやりとり。どれも秀逸なシーンだと思います。あくまで、悲しみの中に希望が失われないというスタンスが素晴らしいですよね。終わり方も隙がないし、とても良い作品にまた巡りあいました!

作品評価:★5 ※採点基準はこちら

赤ひげ
赤ひげ
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東宝 (2002/11/21)
売り上げランキング: 4,900
通常4~6日以内に発送
おすすめ度の平均: 4.89
5 保本登の成長物語
5 日本人の生き方を支える「倫理観」の原点がここに
5 山本周五郎の名作をみごとに表現
投稿者 shaw : 00:54 | トラックバック

『モーターサイクル・ダイアリーズ』

今日、やっと『モーターサイクル・ダイアリーズ』を鑑賞してきました。革命家として有名なチェ・ゲバラが、若かりし頃に実際におこなった南アメリカ大陸縦断旅行を、ロードムービーとして再現した作品です。

実は、評判がとても良いわりに、私はあまりこの作品に興味を持っていなかったんですよ。ただ、やっぱりその評判の良さをみてると気になってきちゃって。で、今日恵比寿まで行ってきたんですが、観てきて良かった!とても素晴らしい作品でした。

★4 ※採点基準はこちら

けど、どう素晴らしかったかを文章にするのは難しいですねー。ロードムービーの何がいいかって、道中起こるさまざまなイベントだったり、大自然の描写であったり、そしてその過程で描かれるキャラクターの成長だったり、出会いと別れだったりと、まぁそういう要素がうまく絡み合うことで、良く出来た映画になると思うのですが、『モーターサイクル・ダイアリーズ』はこのバランスが絶妙で、かなり高いレベルで完成されていると思います。

そして、いい映画に欠かせないのが、良い演技。若きチェ・ゲバラを演じるガエル・ガルシア・ベルナルの、人として魅力あるれる自然体演技が、この美しい作品に一役買っているのはいうまでもないかと。共演ロドリゴ・デ・ラ・セルナの陽気で気さくな人物との相性もばっちりだしね。

あくまでこの作品は、「革命家」になる前の、若き日のチェ・ゲバラが体験した旅行日記なんですが、この魅力的な作品のおかげで私もチェ・ゴバラという人物に興味が湧いてきました。今度、関連書でも読んでみようかな。

投稿者 shaw : 00:15 | トラックバック

2004年12月11日

『カンフーハッスル』

昨日、元旦公開で話題(というわけでもないかな?)の『カンフーハッスル』の試写に行ってきました。
日本でも笑いの渦を巻き起こした、あの『少林サッカー』の監督・主演、チャウ・シンチーの新作です。映画を一口にまとめると、「バカカンフー映画」に尽きると思います。『少林サッカー』のやりすぎさ加減が子供に思えるくらい、カンフーを題材にして徹底的に好き勝手やってます。

で、個人的感想なのですが、これがどうもいまいちなんですよねー。
確かに笑えるシーンは結構あった。キャラ設定も面白いし、ワイヤーアクション全開のカンフーシーンもはじめのうちはそれほど違和感なく、結構興奮できる仕上がりだった。のですが、後半のはやりすぎかなぁ、と。楽しめる人は最後まで楽しめるかもしれませんが、私はちょっとひいちゃったな・・・(飽きちゃった、と言い換えることも出来るかも?)。『少林サッカー』は最後まで笑いっぱなしだったんですけど、この差はなんだろう。私の中の「やりすぎ」の許容範囲を超えてしまったということなのかなぁ。

作品評価:★3 ※採点基準はこちら

なんのひねりもない表現を使うなら、「ドラゴンボール」をオール東洋人で実写化したらこうなります、という感じですかね。私は、漫画の世界(世界観)は、あくまでも漫画というのが前提にあるので、どんなにはちゃめちゃであっても楽しめるんですが、それが実写になって微妙な現実感が醸し出されると、その世界を割り切って見れなくなってしまう、というところがあるのかもしれない。

そういえば、『マトリックス レボリューションズ』を観た後も同じようなこと思ったっけなー・・・。

少林サッカー デラックス版
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通常4~5日以内に発送
おすすめ度の平均: 4.24
4 文句無しの馬鹿映画だッ!
5 極上のB級!
4 香港映画の真骨頂
投稿者 shaw : 20:39 | トラックバック

2004年12月06日

『天国と地獄』

自分で言うのも変ですが、ここのところ映画レビューが多いですね。それだけ映画を観ることができているという証拠でもあるので、個人的には良いことだと思っているのですが、対象作品が往年の名作ばかりというのもちょっと。つまり、劇場で観たい映画が少ないという裏返しでもあるので・・・。

そのことは置いておいて、今日は調子に乗ってもう一本。
黒澤明監督作品『天国と地獄』を鑑賞しました。『用心棒』、『椿三十郎』と時代活劇を続けざまにみて、「傑作だ!」と連発してきましたが、全然違うサスペンスというジャンルでまたしても傑作映画に出会ってしまいました。いや、本当に傑作としか言いようがないです。

なぜ傑作なのか、その理由はこれまで観てきた黒澤監督作とほとんど違いはありません。
1.当然ながら、脚本の出来が素晴らしすぎる。
2.比類のない演出力とそれに応える名優たち。
3.白黒映画の特色を知り抜いているからこそ撮れる数々の名シーン。

まず、冒頭の会社重役達とのやりとり。『七人の侍』~『椿三十郎』の刀を差した三船敏郎の印象が強すぎてちょっと戸惑うも、あいかわらずの存在感にいきなりぐいっと引き込まれるんですねー。
で、ストーリの核となる誘拐事件。それも、実は自分の息子ではなく、お抱え運転手の息子というひねりが、その後の緊張感を巧く引き立てていて、思わずうなってしまうわけで。さらに誘拐犯とのやりとり。最大の見せ場はなんといっても現金引渡しの特急でのシーンですよね。あっという間に通り過ぎて行く鉄橋を見ながらハラハラ。

ここまでは、犯人の指示に対して、関係者はひたすら受け身で重たい緊張感のみの展開だったのが、ここからは犯人を追う刑事達の活躍にシフトチェンジ。地道な努力の積み重ねが最後カタルシスとなって現れる展開、最高ですねー。

いつもどおり、私の実力ではうまく言葉でこの面白さを伝えられないのが残念なんですが、未見の方は是非是非。

作品評価:★5 ※採点基準はこちら

天国と地獄
天国と地獄
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東宝 (2003/02/21)
売り上げランキング: 4,504
通常3~4日以内に発送
おすすめ度の平均: 4.68
5 日本の車窓から
5 模倣犯も出るほどの作品
5 息の詰まるような緊張感!サスペンス映画の古典!
投稿者 shaw : 00:57 | トラックバック

2004年12月05日

『ヨーク軍曹』

『赤ちゃん教育』に引き続いて、ハワード・ホークス監督作品の『ヨーク軍曹』も鑑賞。こちらはレンタルです。

ヨークという、実在したアメリカ人(第一次世界大戦の英雄)の伝記映画として単純に楽しむ分にはとても良く出来た映画だと思います。が、やはりこの映画が作成された時期(1941年)を考えると手放しでは褒められない気も。

俗に言う、「国策映画」という一面を否定できないわけですよ。神(聖書の教え)を信じているのに、戦争で人を殺すことがなぜ可能か、ということで主人公ヨークは大いに悩むんですね、第一次世界大戦で徴兵された際に。つまり、「神の教え」をとるか、「愛国心」をとるかの選択になるわけです。そして、結局は・・・。もう大体想像通りの展開です。

個人的には、前述した通り、個人の伝記映画としては良い映画だと思います。ゲイリー・クーパーの純朴そうな魅力を最大限に活かしてて、感情移入しながら見ることが出来たし。けど、やっぱり映画に政治的要素が含まれるのは嫌なんですよ、私は。そういうことを考えなければ純粋に楽しめたんだろうけど・・・。

作品評価:★3 ※採点基準はこちら

投稿者 shaw : 23:42 | トラックバック

『赤ちゃん教育』

先日ここで触れたとおり、最近クラシック映画熱が再燃中で、特にハワード・ホークス監督作品(と黒澤映画)を中心に鑑賞をしてます。

で、この間amazonで注文した『赤ちゃん教育』という映画のDVDが手元に届いたので早速鑑賞。ホークス監督のスクリューボール・コメディで、主演ケーリー・グラントということで、ある程度『ヒズ・ガール・フライデー』と通ずるものがあるのかなとは思ってたのですが。

実際に観てみたらやっぱりテイストはほとんど同じでしたね。後に作られた『ヒズ・ガール・フライデー』のほうが、さらにテンポがよくなって、より洗練されたのかもしれませんが、私には『赤ちゃん教育』の方が楽しめたかも(『ヒズ・ガール・フライデー』はあまりの早口の応酬に、置いてきぼりをくらったという印象しか残っていない・・・)。ラストを含めて、なぜああいう展開になったかの動機がよくわからなかったんですが、それこそがホークス流だと私は思うw

作品評価:★4 ※採点基準はこちら

多分、キャプラやルビッチよりも好き嫌いのでそうな作風にも思いますが、はまる人にはぐっと来るんじゃなんですかね。

あ、あと、DVDのオマケに、キャスト・スタッフのフィルモグラフィーがほんとにオマケ程度に付いていて、その中のキャサリーン・ヘプバーンについての一言。
「24歳にしておばさんである」。
・・・。
それはあんまりでは。。笑っちゃったけど。

ヒズ・ガール・フライデー
アイ・ヴィー・シー (2001/10/25)
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おすすめ度の平均: 4
5 クエンティン・タランティーノのマシンガン・トークのルーツここにあり?
2 何度でも書くが、この会社のは画質が最悪です
5 警官殺しの死刑囚が逃げた?逃がした?
投稿者 shaw : 17:41 | トラックバック

『椿三十郎』

先週に引き続き、三船敏郎主演の黒澤映画の傑作、『椿三十郎』を借りて鑑賞。これが、『用心棒』にも勝るとも劣らずというやつで、面白いのなんのって。

作品評価:★5 ※採点基準はこちら

前作(『用心棒』ね)よりもユーモアの要素を前面に出した分、緊張感が減ったかなぁと思っていたら、ラストの決闘シーンがあまりにも見事な出来で、緊張感うんぬんという思いは消し飛びました。『用心棒』と『椿三十郎』、どちらも特徴があって微妙に好き嫌いの差がでるのかもしれませんが、私には甲乙つけられないなー。面白ければそれでよし、ということで。

久々に、同じ映画を1日のうちに2回観ちゃいましたよ。。

椿三十郎
椿三十郎
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東宝 (2002/12/21)
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通常24時間以内に発送
おすすめ度の平均: 5
5 エンターテイメント!
5 前が桑ならこちらは椿
5 小品ながら傑作
投稿者 shaw : 01:01 | トラックバック