2003年09月19日

「映画に毛が3本!」

タイトルだけでは、知らない人には何のことだかわからないでしょうが、このBLOGでも何度か登場した黒田硫黄氏による、映画批評コラムをまとめた本です。
購入して読んでから、かれこれ一週間もたってからのレビューになってしまいました。

本のつくりとしては、1作品につき、1ページのコラム(文字情報)と1ページのマンガ(イラスト情報)からなっていて、全部で61タイトル取り上げられてます。共通して観ている作品がちょうど3分のⅠ、知らない映画が1割弱と、共感しながら読むにはぎりぎりのラインかな、というところです。

で、肝心の感想なんですが、似顔絵が微妙に(全然ともいう?)似ていないところが素敵です。私が黒田氏のマンガが好きな理由は絵の上手さにあるのですが、それを逆手にとって、あえて似ていないイラストを書いていると思われる感じがしますねー。それでも、押さえるべきつぼはことごとくはずさないところが素晴らしいです。
マンガ批評自体はとても上手いと思います。1ページ完結(Ⅰ作品だけ例外あり)で、だいたい8~12コマの中にうまくまとめています。突っ込み方がとても黒田氏らしい、というか。
逆に、コラムのほうはそんなに目新しさはないです。ただ、「本作の教訓」というのがあって、一言批評みたいなものも書かれているんですが、これは面白いです。もしシネスケに登録したら、一言コメンテーターとしてかなり人気を集めそうな気がしました(シネスケ的視点ですんません)。

難点は、ちょっとボリュームが少ないかなぁという点と(俺はもっとたくさんの批評が読んでみたかった)、その割に値段が高い(1200円)点でしょうか。
正直言うと、誰にでも奨めることはできないです。が、映画好き かつ 黒田硫黄が好きな人は必読だと思います。どちらか片方でも当てはまる人も、まずは片手にとって読んでみるといいでしょう。

-- 追記 --

ちなみに、ここから23作品分を実際に読む事ができます。ちょっとでも気になった人は、まずここで雰囲気を感じ取ってみるといいかと思います。

あと、似ている似顔絵と似ていない似顔絵を個人的に感じたままにピックアップしてみました。
似ている気がする似顔絵:イーストウッド、ウディ・アレン、ビリー・ボブ・ソーントン、『ロスト・イン・ラマンチャ』の巨人他
ダメダメな似顔絵:デンゼル・ワシントン、ジョージ・クルーニー、トビー・マグワイア、テリー・ギリアム他多数
ダメダメな方々は、作品が分かっていなければ、多分誰だかわからなかったと思います(笑)
『スパイダーマン』のトビー・マグワイア、あれはないと思います。

>> このエントリーに含まれるTAG
>> 関連するエントリー
投稿者 shaw : 2003年09月19日 02:21

Trackback

このエントリーのトラックバックURL → http://www.s-hashi.net/x/mt-tb.cgi/77