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2006年07月14日

-本[小説]-

 功名が辻

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価格:(~)

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読書がとてもはかどる司馬遼太郎の典型的な小説ですね。いや、女性が主人公という点で、全然司馬さんっぽくないけど。

素直に面白かったです。一時期、私も戦国時代に大変興味を持っていた頃があるんですが、山内一豊という人の生涯を全然知りませんでした。奥さんが才色兼備の方だ、という程度の知識で読み始めたのが良かったのかな。作り話が多分に含まれているとしても、律儀さ以外取り立てて自慢できるものを持っていなかった一豊が土佐一国の主になれたのは、運や自分の実力だけじゃなくて、間違いなく千代の力によるものが大きかったんでしょう。ラストの歯切れの悪さはありますが、少しずつ知行が増えていって、大名への道を歩んでいく様はとても痛快で、サクサク読書がすすみましたねー。この痛快さは、やっぱり司馬さんの小説の大きな魅力だよなぁ。

土佐という国は、幕末において、暴走する郷士とそれを押さえつける上士という構図と、それが多くの悲劇を招いたという歴史があって、そもそものきっかけは何?というのをさかのぼると、行き着くのはこの小説の終わりになるんですよね。今まで知らなかった歴史が、何らかの形で自分の頭の中で補完されていく瞬間がたまらなく好きです。

投稿者 shaw : 2006年07月14日 02:01

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